倦む(あぐむ)
ある物事をしとげられないでいやになる。あぐねる。「思案に倦む」「考え倦む」
案じふくれる(あんじふくれる)
思案にくれる。
齷齪(あくせく)
心が狭く小さな事にこだわること。
言ひ昂る(いいあがる)
言葉が激してくる。言いつのる。
息精(いきせい)
気力。意気込み。
息急し(いきだわし)
息苦しい。息切れがする。
息詰む(いきづむ)
(1)いきをつめて腹に力を入れる。(2)こらえる。辛抱する。
息籠る(いきごもる)
息が詰まって苦しくなる。
息を延ぶ
ほっと息をつく。安心して気が楽になる。
息を潜める
存在を気づかれないよう、息づかいをおさえて、じっとしている。
息を凝らす
息をとめ、緊張している。」
息が切れる
息ぎれがする。転じて、ものごとに長く堪えられない。
意気に燃える
ある事をしようという積極的な気持が盛んになる。
居丈高(いたけだか)
(「威丈高」とも書く) すさまじい勢いでおこるさま。いきりたっていること。「居丈高な物言い」
色を失う
驚き恐れて顔色が青ざめる。
入る(いる)
その動作をひたすら行うことを表す。「呟き入る」
憂い(うい)
(動詞の連用形に付いて) …したくない、…しづらい、などの意を添える。「床から起き憂い」「住み憂い」
鬱鬱(うつうつ)
心がふさいで楽しくないさま。
うつうつ
半ば覚め、半ば眠っているさま。うとうと。
うそうそ
不安で落ちつかないさま。
うかうか
心が落ちつかないさま。不安なさま。
うわうわ
気がうわついているさま。うかうか。
うじうじ
ためらうさま。もじもじ。ぐずぐず。
うねくね
うねりくねるさま。高く低く曲りめぐるさま。
後ろ押し(うしろおし)
あとおし。後援。
憾みがある
不満足に思われる点がある。「軽薄に過ぎる憾みがある」
憂わしい(うれわしい)
憂うべきである。嘆かわしい。
怖じ怖じ(おじおじ)
おずおず。おどおど。恐る恐る。
怖気立つ(おぞけだつ)
恐ろしさの余りぞっとして身の毛がよだつ。
押し沈める・押し鎮める(おししずめる)
おさえて沈静させる。やわらげる。「声のどやかに押し鎮めて」
幼心地(おさなごこち)
子供っぽい心持。おさな心。
思た気(おもたげ)
思った様子。心配そうな様子。
思ひ直る(おもいなおる)
気持がもとのようになる。機嫌がよくなる。
思ひ固む(おもいかたむ)
心にきめる。覚悟する。
思ひ砕く(おもいくだく)
あれこれ思い乱れる。
思い半ばに過ぐ
(1)推測しておおよそのところは理解できる。「皆さんも思い半ばに過ぐこともあるだろう」(2)転じて、事実が想像以上で、感慨無量なことにいう。
影(かげ)
(1)ほのかに現れた好ましくない影響・兆候。(2)おもかげ。
託つ(かこつ)
自分の境遇などを嘆く。恨んで言う。ぐちをこぼす。「無聊を託つ」
堪忍負け(かんにんまけ)
堪忍をしきれないこと。
堪忍強い(かんにんづよい)
よく我慢をする。
観ずる(かんずる)
(1)心に思い浮べて観察する。(2)観念する。悟ってあきらめる。
気色ばむ(けしきばむ)
怒りの気持を顔色に出す。
業腹(ごうはら)
非常に腹の立つこと。怒りに堪えないこと。しゃくにさわること。いまいましいこと。「ここでやめるのも業腹だ」
責め苦(せめく)
責めさいなまれる苦しみ。「地獄の責め苦」
血道(ちみち)をあげる
異性や道楽などにのぼせる。
通る・徹る(とおる)
(1)なしとげられる。かなう。達せられる。「願いが通る」(2)徹する。
塗炭(とたん)の苦しみ
泥にまみれ火に焼かれるような極めて苦痛な境遇。「塗炭の苦しみを舐める」
執す(とりす)
一つの事に心をとどめる。執心する。熱心になる。「はかなく執する事ども」
刺立つ(とげだつ)
(1)とげが立つ。(2)いらだつ。かどだつ。
綴じ合せる(とじあわせる)
一まとめに綴じる。
解きほどく(ときほどく)
もつれや結び目などをといてほぐす。細かにときはなす。
解き分ける(ときわける)
ときはなって別々にする。
利心(とごころ)
するどい心。しっかりした心。
とほん
ぼんやり。茫然。「とほんとしている」
とばとば
そわそわ。ひょこひょこ。
とぼつく
まごまごする。途方にくれる。
停み・止み(とどみ)
たたえること。よどみ。
野方図・野放途(のほうず)
(1)ずうずうしいさま。横柄なさま。(2)際限のないさま。しまりがないさま。「野方図に広がる」
秘めやか(ひめやか)
ひっそりと内に秘めたさま。ひそかで人に知られないさま。「秘めやかな想い」
ふつふつ
思いきるさま。きっぱり。断然。ふっつり。
深み(ふかみ)
水などの深い所。また、深い程度。
含み(ふくみ)
直接の表現のかげにかくされている意味・内容。「妖しげな含みを残して」
節(ふし)
(心がとまるような)点。箇所。「怪しい節がある」
不得心(ふとくしん)
(1)道理を弁えないこと。無作法なこと。(2)思いやりのない心。人間らしくない心。
振り起す(ふりおこす)
ふるいおこす。
不憫がる(ふびんがる)
かわいそうに思う。
不意を食う
不意をつかれる。
任せ(まかせ)
体言に付いて、そのもののなすがままになる、ゆだねる意を表す。
紛れ(まぎれ)
(心情を表す形容詞語幹・動詞連用形に付いて) その心情が甚だしいため、言動や判断が適切でなくなる意を表す。…のあまり。「くやし紛れ」「苦し紛れ」「腹立ち紛れ」
まじくじ
しきりに目をぱちくりさせるさま。また、そのような状態でまんじりともしないさま。
待ち果せる(まちおおせる)
その時日に達するまで待つ。待ってその目的を達する。最後まで待つ。
待ち尽す(まちつくす)
懸命に待ちつづける。
惑ひふためく(まどいふためく)
とまどいあわてて、ばたばたする。
見和ぐ(みなぐ)
見て心がやわらぐ。
むやむや
わずらいもだえるさま。もやもや。
胸に痛い
不愉快である。悲しい。
胸を冷やす
驚きおそれる。恐れ危ぶむ。ぞっとする。
胸が悪い
(1)胸がむかむかして気分が悪い。(2)癪しやくにさわる。不愉快だ。
胸に当る
心に思い当る。
胸に余る
心配事などがたまって、たえられないほどである。
胸走る(むねはしる)
心が落ち着かない。胸が騒ぐ。
噎せ返る(むせかえる)
強くむせび泣く。
噎び入る(むせびいる)
ひどくむせぶ。
安安(やすやす)
きわめて安楽なさま。「安安と世を送る」
安げ(やすげ)
安らかな様子。気楽そうなさま。
休らい・安らい(やすらい)
(1)立ちどまること。たたずむこと。(2)休むこと。休息。また、おだやかなこと。
休める(やすめる)
(1)安心させる。慰める。(2)動作をやめる。動きをとめる。
山心(やまごころ)
山気(やまき)。
宿す(やどす)
(1)(涙・露・光・影などを)とどめる。とどまらせる。「水に影を宿す」(2)あずけて置く。置く。残す。「禍根を宿す」(3)内に含み持つ。「疑念を宿す」
昨夜気(ゆうべけ)
昨夜の疲れの残っていること。房事や酒酔いについていう。
行き悩む(ゆきなやむ)
物事がはかばかしく進行しない。
行き止る(ゆきどまる)
行手がふさがって、それから先へ行けなくなる。行きづまる。
揺らつく(ゆらつく)
ゆらゆらする。ゆれ動く。ふらつく。
欲気(よくけ)
欲の気味。欲心。
寄方・寄辺(よるべ)
たのみとする所。よりどころ。「寄辺のない身」
捩れる(よじれる)
ねじれる。よれる。
由めく(よしめく)
わけがありそうにふるまう。特別な関心があることをほのめかす。
酔心地(よいごこち)
酒に酔ったときの心地いい気分。
愛執(あいしゅう)
欲望にとらわれて執着すること。
愛重(あいちょう)
愛し重んずること。大切にすること。
安慰(あんい)
人の心を安らかにし慰めること。慰安。
安息(あんそく)
やすらかに休むこと。
安閑(あんかん)
安らかで静かなこと。何もしないでのんきにしているさま。
暗晦(あんかい)
くらいこと。「暗悔な心情」
暗然・黯然(あんぜん)
悲しくて心のふさぐさま。
畏愛(いあい)
うやまい親しむこと。
意趣(いしゅ)
心の向うところ。考え。意向。「意趣変えしよう」
意執(いしゅう)
あることに固執する迷いの心。
慰謝(いしゃ)
慰めいたわること。同情して慰めること。
萎凋(いちょう)
おとろえしぼむこと。凋萎。
因循(いんじゅん)
決断力に欠け、ぐずぐずするさま。
隠忍(いんにん)
じっとがまんすること。表にあらわさないでこらえること。
鬱・欝(うつ)
気のふさぐこと。「鬱を散ずる」
鬱懐(うっかい)
ふさいだ思い。晴々しない思い。
鬱結(うっけつ)
気が晴れないで、ふさぎこむこと。
鬱塞(うっそく)
気分がこもって、ふさがること。
鬱陶(うっとう)
心の晴れないこと。不快なこと。
鬱勃(うつぼつ)
胸中に満ちた意気が、まさに外にあすれようとするさま。
鬱然(うつぜん)
心のむすぼれて晴れないさま。
鋭意(えいい)
(副詞的に用いることが多い) 心をはげましつとめること。専心。「鋭意努力する」
英気(えいき)
活動する気力。元気。
鋭気(えいき)
するどい気性、気勢。
厭倦(えんけん)
あきていやになること。
横逸・横佚(おういつ)
思うままに行うこと。勝手に行うこと。
嘔気(おうき)
はきけ。
奥意(おくい)
心の奥底。
怏怏(おうおう)
不平なさま。満足しないさま。
慨嘆・慨歎(がいたん)
うれいなげくこと。なげきいきどおること。
渇愛(かつあい)
渇して水をほしがるように凡夫が五欲に愛着すること。
豁然(かつぜん)
(1)うちひらけたさま。「豁然たる眺望」(2)迷妄または疑惑のにわかに解けるさま。「豁然と悟る」
諧和(かいわ)
やわらいで親しみあうこと。
汗顔(かんがん)
大いに恥じて顔に汗をかくこと。極めて恥かしく感ずること。「汗顔の至り」
含羞(がんしゅう)
はにかみ。はじらい。
険難・剣呑(けんのん)
あやういこと。あやぶむこと。「しきりに剣呑に思ひ」
鼓舞(こぶ)
人の気をふるい起させること。はげますこと。「士気を鼓舞する」
慙愧・慚愧(ざんき)
恥じ入ること。「慙愧に堪えない」
桎梏(しっこく)
足かせと手かせ。また、厳しく自由を束縛するもの。「恩愛が桎梏となる」
宿望(しゅくぼう)
かねて抱いていた望み。「宿望を果す」
首鼠(しゅそ)
(穴から首を出して窺う鼠の意。一説に、首施に同じで進退の意という) 心をきめかねること。迷っていて決心がつかないこと。首鼠両端。「首鼠両端して事を決し給はざるは」
蕭条(しょうじょう)
ものさびしいさま。
焦眉(しょうび)
火が眉を焦がしかねないほどに、危険が迫ること。「焦眉の問題」
従容・縦容(しょうよう)
ゆったりとして迫らぬさま。おちついたさま。「従容として死に就く」「従容たる態度」
思料(しりょう)
思いはかること。考えること。
人事不省(じんじふせい)
全く知覚を失うこと。意識不明になること。「人事不省に陥る」
滲入(しんにゅう)
しみこむこと。
雪辱(せつじょく)
(1)恥をすすぐこと。(2)試合・競技などで、前に負けた相手に勝つことにいう。
胆気(たんき)
物事に臆しない気力。押し切ってなす意気。
蕩蕩(とうとう)
おだやかなさま。ゆったりしたさま。
篤信(とくしん)
信仰の篤いこと。
肚裡・肚裏(とり)
腹のうち。心の中。
煩労(はんろう)
(1)心をわずらわし身体を疲れさせること。(2)わずらわしい労力。「煩労を惜しまず」
卑怯未練(ひきょうみれん)
心が弱く勇気と決断力がないこと。
悲愁(ひしゅう)
(1)かなしみとうれい。(2)かなしみうれえること。
不執心(ふしゅうしん)
執着心のないこと。
不請不請(ふしょうぶしょう)
(「不承不承」とも) いやいやながらするさま。
憮然(ぶぜん)
失望してぼんやりするさま。失望や不満でむなしくやりきれない思いでいるさま。
不定愁訴(ふていしゅうそ)
明白な器質的疾患が見られないのに、さまざまな自覚症状を訴える状態。
紛乱(ふんらん)
まぎれみだれること。混乱。
平調(へいちょう)
おだやかな調子。普通の調子。
慢易(まんい)
怠りおろそかにすること。軽侮すること。
明浄(めいじょう)
明らかできよいこと。
雄気(ゆうき)
雄々しい気質。雄大な意気。
勇奮(ゆうふん)
勇気を出してふるい立つこと。
憂喜(ゆうき)
うれいとよろこび。喜憂。
憂苦(ゆうく)
うれえ苦しむこと。
憂懼・憂惧・憂虞(ゆうく・ゆうぐ)
うれえ恐れること。
憂色(ゆうしょく)
うれえのある顔色。心配そうな顔色。
憂心(ゆうしん)
うれえる心。心配する心。
幽愁(ゆうしゅう)
深い物思い。深い憂い。
揺曳(ようえい)
ゆらゆらとなびくこと。また、あとあとまで長く、その気分や痕跡などが残ること。
悋気(りんき)
ねたむこと。特に情事に関する嫉妬。やきもち。