study:ドイツ語リーディングにおけるRahmen für Beziehung









以下は英語リーディングにおける薬袋善郎氏のFrame of Referenceのようなものをドイツ語リーディングに応用し、その方法論を整備してみる試みである。

Frame of Reference[独:Rahmen für Beziehung]は、一言で言えば返り読みの方法論である。英文を一つのピリオドまで読んでから品詞分解をして英文の構造を確定することで誤読、誤訳がないようシステマティックに正確な読解を目指す。パラグラフリーディングのような速読の方法とは真逆にあるが、初級〜中級者ができるだけ読解不能や大きな翻訳上の誤りに陥らず多くの外国語文を処理しようとするなら、時間は掛かるとしても最適の方法の一つだろう。

リーディングにおけるFrame of Referenceの要点は、述語動詞と準動詞(および述語動詞のなかで文の中核となる動詞)の見分けを真っ先につけることである。日本語の文を例に取ろう。

「コンブレー──私たちが復活祭の前の週にここに到着するとき、十里も離れたところではるかに汽車の窓から眺めると、コンブレーは一つの教会にすぎず、その教会が町を要約し、町を代表し、遠方に向かって町のことを町のために語っているように見えるのだが、近づいてみると教会は、野原の真ん中で、風に逆らって、ちょうど羊飼いの娘が羊を連れているように、びっしりと集まった家々の羊の毛のようにやわらかい灰色の背を、その大きな暗い色のマントのまわりに引き連れており、さらにその家々の外側には中世の城塞があちこちに残っていて、プリミティヴ派の画家の絵にある小さな町と同じように、完全な円で家々を囲んでいるのであった。」
(プルースト『スワン家の方へ 第一部 コンブレー』鈴木道彦訳)

これで句点=ピリオドまでの文章と考えると、ここには「到着する」「眺める」「…にすぎない」「要約する」「代表する」「語っている」「近づいてみる」「逆らう」「連れている」「集まる」「引き連れている」「残っている」「囲んでいる」等々の数多の動詞が現われている。Frame of Referenceはこのなかから述語動詞、および述語動詞のなかでも文の中核になる動詞を判別して、文の大枠を掴んでから細部の意味を確定していく読み方をする。かりそめにFrame of Reference的な読み方をこの日本語文に適応するなら、この文章は「……に見えるのだが」のところで前半の文と後半の文に別れており順接的につながっている複文と読める。そして前半における中核の動詞は「…にすぎない」で、前半は端的に「コンブレーは一つの教会にすぎない」という単文に多くの要素がくっついた文である。また、後半における中核の動詞は「引き連れている」で、端的に「教会は家々を引き連れている」という単文に多くの要素がくっついた文となっている。おそらく、日本語のネイティヴスピーカー以外の者にとって、この引用文を頭から読んでいって、つまり返り読みせずに「(はるか遠くから眺めると)コンブレーは一つの教会にすぎないが、(近づいてみると)その教会は家々を引き連れている(さらにその家々は……)」という構造を掴むことはかなり難しいはずだろう。まず真っ先に数多出てくる動詞のなかからどれが文章の中核になっているかを確定し、それを中心とした構造を意識しながら他のすべての語の意味上の文脈を整理すること。外国語を精確に読むには、直観や無意識の慣れだけでなく、何かしら意識的な構文分析を踏まえる必要があるのだ。

英語リーディングにおいてFrame of Referenceが有用なのは、一般的な英語文法を、述語動詞と準動詞(および主節と従属節)の区別をつけるための規則として再解釈した上で提示してくれるからである。例えば「現在形と過去形の動詞は必ず述語動詞である(準動詞ではない)」「構造上の主語を持たない裸の過去分詞は必ず準動詞である」といったようなFrame of Referenceにおいて最重要とされるルールは、あまり通常の英語学習書には出てこないが、英語文法から演繹的に導かれる副次的なルールであり、英文の構造を読み取るために有用なフレームとなってくれるものである。或いはまた、「名詞節を作る語は従属接続詞のthat・if・whether、疑問詞、関係詞のwhat、関係詞+ever、先行詞の省略された関係副詞、である」といったFrame of Referenceにおける要点的知識は、長く入り組んだ文章のなかでどこが主節でどこが従属節なのか目星をつけるための強力な読解格子となってくれるだろう。このように、品詞分解を元にした構文読解に向けて英語文法を再解釈して簡潔に体系化してみせたのが、Frame of Referenceの画期的な点であると言える。

当然ながら、英語リーディングのためのFrame of Referenceを文法の異なるドイツ語にそのまま適用することはできない。したがってFrame of Referenceと目指すべきところを共有しつつも、ドイツ語リーディングのRahmen für Beziehungは基礎の基礎から組み上げていかなければならない。







ルール1:現在形と過去形の動詞(助動詞)は必ず述語動詞である。
ルール2:一つの文の中核の述語動詞は、ほぼ例外なく定形2位の位置に現われる。

基本的な用語を定義しておこう。〈構造上の主語+述語動詞〉を中心とした一連の語群を〈節〉と呼ぶ。ドイツ語の〈文〉は一つ以上の節の組み合わせによって完結したまとまりをなす。節には主節と従属節とがあり、文のなかで主節を構成している述語動詞をその文全体の〈中核の述語動詞〉と見做す。ピリオドで終わるまでの一続きの文章のなかに二つ以上の文がある場合(〈複文〉)、それらを対等なまま──つまり主従関係を作らずに──結びつけている等位接続詞やコンマのような表徴がなければならない。

ルール1は英語と同様である。ドイツ語の場合、過去形でも一人称単数、三人称単数において動詞の人称変化が起こるので、英語よりも述語動詞の特定が容易になっている。さらには過去形と過去分詞形が異なる動詞が多いので一層特定は容易である。ちなみに「Ich habe mit ihr ins Kino gehen wollen.(私は彼女と映画に行くつもりだった)」のように現在完了と話法の助動詞を組み合わせた文章なら、活用の形は定形の位置に現われている完了の助動詞「habe」の活用を見て現在形と判断する。そして「haben ... gehen wollen」という助動詞と連動する動詞のワク構造をまとめてこの節の述語部分と見做す。もちろん過去完了だったら過去形と判断する。

ルール2はドイツ語文法に独自のものである。中核の述語動詞が定形2位でなく節の冒頭に来るのは、疑問詞を使わない疑問文(「Trinken Sie gern Bier?」)、命令文(「Sprich doch nicht so schnell!」)、そして仮定法の前提部で従属接続詞のwennやfalllsが省略されたケース=条件文や認容文で接続詞が省略されるケース(「Wenn er dies nicht tut, so ...=Tut er dies nicht, so ...」「Hätte ich Geld, so würde ich ein Auto kaufen.」「War die Situation auch verfahren, es mußte doch eine Lösung geben.(状況が混乱していたとしても、解決策はあるはずだった)」「Regnet es heute, so gehe ich nicht aus.(今日は雨だろうか、それなら外出は止める)」)ぐらいのものなので、定形2位に置かれた動詞はほぼ間違いなく主節の述語動詞=文全体の中核の述語動詞だと判断してよい。文のなかで副詞節が先に来たとき、続く主節の述語動詞が冒頭に来るという現象が起こるが──「Weil der Vater krank ist, bleibt er zu Haus.」等──、これも主語以外の要素(副詞節=副詞)が冒頭に来て「他の要素+述語動詞+主語+……」という語順になっている、すなわち定形2位の原則は維持されているものと考える。例文では「Weil節+中核の述語動詞bleibt+主語er+……」という語順になっていると考えるのである。もっと言うなら、この例文では一人称単数の現在形の人称変化をしているistと三人称単数の現在形の人称変化をしているbleibtが間違いなく述語動詞で、加えてistは定形後置されているから、定形2位にあるbleibtの方が絶対に中核の述語動詞だと断言できるわけだ。ちなみに、譲歩を意味する従属節のあとにつづく主節では、述語動詞は必ずしも冒頭に来なくてもよいことになっているので注意。例──「Wie hoch die Preise auch steigen, ich werde das Gemalde nicht verkaufen.(どんなに値上がりしようと私はこの絵を売るつもりはない)」。

(さらにもう一つ、このルール2の例外を挙げるとしたら、従属節の、文末に不定形が3つ以上並ぶときの述語動詞(完了の助動詞haben/未来・推量の助動詞werden)の位置があるが、これは、そういうケースもあるのだなということだけ覚えておけばいい。「Ich bin sicher, daß sie ihn hat kommen sehen.」「Ich kann morgen nicht kommen, weil ich das Auto werde reparieren lassen müssen.」「Goethe berichtete, daß er zusammen mit einem Freund in Weimar einen Ballon hatte in die Lüfte steigen lassen.」)

逆に、中核の述語動詞ではない、従属節の述語動詞であるのに、定形2位の位置に現われるというケースもある。発言や思考を表す動詞や感情を表す動詞のあとに定形2位の従属節が後続する「引用話法」のケースだ。「Sie sagte, sie müsse noch zur Bank gehen.(まだ銀行に行かなくてはならないと彼女は言った)」「Ich dachte, du kommst erst morgen.(私は君が明日にならなければ来ないと思った)」──これは間接話法の語順と同じだが、引用話法の従属節の場合は言述動詞などの目的語として機能するだけではなく、主語そのものや名詞修飾の機能も果たしうる。この点については後述する。

さらなる余談。上で定形2位以外(冒頭)に述語動詞が来るケースとして命令文を挙げた。周知のように命令文では動詞が命令法という特殊な語尾変化をし、用いられる主語はおおむね2人称単数複数でしかもそれが省略されることが多く、時制は現在か現在完了で……といった特徴を持っているのだが、実はzuのない動詞の純粋な不定形を命令法の代替として用いることができる。この場合主語を欠きながら動詞の不定形だけが現われ、それが必ずしも冒頭に来るとは限らず、さまざまな副詞や不変化詞などとともに融通無碍でレアな語順が見られるので気を付けよう。例──「Bitte nicht rauchen!(タバコを吸わないでください)」「Nur nicht überschatzen!(せめて過大に見積もることは止めよ)」等。

ルール3:一つの節のなかに、独立した名詞(代名詞)は三つ以下しか現われない。

ここからもうすでにRahmen für Beziehungの独自領域である。このルールの前提となっていることは、まずドイツ語の文では名詞は必ず文中どこにあっても大文字で綴らなければならないほど名詞の存在感が大きいということ、そして、名詞はそれに付属する定冠詞類、不定冠詞類、付加語的形容詞の格変化によって単体でその意味上の文脈を示唆することができるということである。英語においては名詞が格変化することはないので、名詞の意味上の文脈は主に動詞型によって決定される。例えば「leave」という動詞には「SVO」という動詞型と「SVOO」という動詞型と双方での用法があるが、前者では「leave the room」のように「Oを立ち去る」という訳になるのに対し、後者では「leave his wife a large fortune」のように「OにOを遺す」という訳になり、wifeは間接目的語、fortuneは直接目的語というふうに動詞の用法によって名詞の意味上の文脈が変わってくる。それに対してドイツ語における名詞は、名詞自身で格変化することにより、1格であれば主語、3格であれば間接目的語、4格であれば直接目的語というふうに、自分の意味上の文脈を単体で示唆することができるのである。したがって、動詞や形容詞の名詞に対する支配力は相対的に弱く──その分前置詞に対する支配力が強いと言えるかもしれない──、英語ではありえないような語順も頻出する。もちろん主語が冒頭に来る語順が最も一般的ではあるのだが、「Jetzt lernt er in Bremen Deutsch.」のように副詞が倒置されて冒頭に来る形など当たり前で、「Deutsch lernt er jetzt in Bremen.」のように目的語を冒頭に出すことも普通にできる(これらはいずれも「他の要素+述語動詞+主語+……」の語順であり、定形2位の原則は守られている)。一応、語順について「3格と4格が両方ある場合は3格→4格の語順になる」「ただし両方が人称代名詞の場合は4格→3格の語順になる」「どちらか一方だけが人称代名詞ならそちらを前に出す」といった細かいルールもあるものの、これらによる拘束は比較的ゆるく、ドイツ語の文では述語に関連する重要なものほど文末近くに来るという慣習にしたがい、3格と4格でどちらか強調したい方を随意に後ろに回す場合も少なくないのだ。究極的には主語が目的語の後ろに来たり、主語が文末に来ることさえある。

Unter dem Titel "Morgen─Die Industriegesellschaft am Scheideweg" erscheint am morgigen Dienstag in der Bundesrepublik das neue Buch des "DDR" Regimekritikers Robert HaVemann.
(東独体制批判家であるロバート・ハーヴェマンの新しい著作が『曙──岐路に立つ工業』というタイトルで明日火曜日、西独において出版される。)
修飾要素を削ると、この文は「Unter dem Title "......" erscheint das neue Buch.」すなわち「『……』というタイトルの新著が出版される」という構造の文で、前置詞と名詞が結合したさまざまな副詞句(「『……』というタイトルで」「明日火曜日に」「西独において」)によって主語の登場が遅れ、文末にまで追いやられているパターンである。

In dem Buch setzt sich Havemann nach Verlagsangaben damit auseinander, warum ...
(出版社の言によれば、この本のなかでハーヴェマンは「なぜ……なのか」という問題に取り組んでいる。)
言うまでもなくdamitは前置詞と代名詞の融合形であり、従属節属詞warum以下の名詞節はその代名詞の内容を叙述している。そして、この文の中心になっているのは「sich(4) mit et(3) auseinander:setzen」という「〈事(3)〉に取り組む」の意味のイディオムである。もっと簡潔に書くならば「Havemann setzt sich damit in dem Buch auseinander.」とでも書けばよいはずだが、「In dem Buch」という前置詞句=副詞句を文頭に倒置した上で、4格の再帰代名詞よりも主語の「Havemann」を後に置いているのだ。とはいえ、ドイツ語の文としてはこれでも何の問題もない。(ただし、これが可能なのは人称代名詞ではない固有名「Havemann」が主語になっているからである。もし主語がHavemannではなくerであればsichはerの後に置かれる。)

Genau diesen ärgsten Zustand hat uns die technische Expansion inzwischen beschert.
(科学技術の進展が、なし崩しに他ならぬこの最悪の事態をわれわれにもたらしたのであった。)
Zustandは男性名詞なので4格。bescherenは「j(3) et(4) bescheren」で「〈人(3)〉に〈事(4)〉をもたらす」の意味。文頭に副詞と4格目的語が一緒に倒置され──したがって副詞genauはZustandに掛かっていると見做さなければならない──、加えて主語のExpansionより人称代名詞3格が先に来ているという語順。4格→3格→1格。

語順についてもう少し詳述しよう。くり返せば、ドイツ語では述語以外の文の要素は原則的に特定の位置に固定されない。置かれる場所によって強調される意味が変わってくるのでまったく任意というわけにはいかないが、主語だろうと目的語だろうと副詞だろうと前置詞句だろうとあらゆる語順の組み合わせが文法上は可能である。ただし、その要素が人称代名詞であるときには置かれる場所はいくらか限定される。とくに人称代名詞が強調されるわけでなくただ指示的な機能を持つ場合には、定形2位の動詞の前か後ろに来なければならない。そのため、3格の人称代名詞が人称代名詞でない主語よりも前に置かれる方が適当なケースがある。例文──「Zum Geburstag hat mir mein Vater ein Fahrrad geschenkt.(誕生日に父は私に自転車を贈ってくれた)」等。余談だが、格変化から主語と区別の付きにくい4格の目的語が倒置で冒頭に来ることは稀である。

補足。語順ということで言うと、稀に「das eine ...」のように定冠詞のあとに不定冠詞がつづく不思議な語順に出会うことがある。「das eine Zimmer」等。もうお分かりだろうが、この「eine」は定冠詞・所有代名詞・指示代名詞の直後に形容詞と同じ変化をして「(その)一つの」の意味を付与する数詞である。「mein eines Auge(私の片目)」「der Ertrag des einem Übriggebleiben(この一人だけ残った人の手紙)」「der Wagen, dessen eines Rad zerbrochen ist(車輪の一つが壊れている車)」等々。似ているが別の例として「Die einen sagen dies, die anderen das.」といった文もある。この「ein(en)」は「ander(en)」と呼応して「一方では/他方では」という意味を表す不定代名詞としての用法。ただし、不定代名詞のeinの格変化とは異なり、〈しばしば定冠詞を伴い形容詞と同じ変化をする、また複数でも用いられる〉ことに注意せよ。「こう言う人々もいる、一方ああ言う人々もいる」。他、einには直後に所有代名詞や不定代名詞を続ける用法もある。「einer meiner Kollege(私の同僚の一人)」「eine jeden Frage(一つ一つの質問:jederは不定冠詞の後では形容詞の混合変化)」等々。当然ながら複数2格の定冠詞を続ける用法もある。「ein(e)s der Mädchen(少女たちの一人)」「einer der Wächter(警備員の一人)」等々。







さて、以上でまとめた格変化と語順の特徴に関連して発生する、ドイツ語リーディングにおける厄介な躓きの一つは、パッと見ただけでは名詞の格変化が確定できないケースがあることだ。議論のため以下、定冠詞類・不定冠詞類・および無冠詞それぞれのパターンでの形容詞を付加した名詞の格変化をざっとまとめておく。

この表を見ても分かるとおり、女性名詞の1格と4格、中性名詞の1格と4格、名詞の複数形の1格と4格、および女性名詞の2格と3格の変化形は比較してもまったく差異がない。さらに付加語の形容詞の変化を取り除いて冠詞だけにすると、男性1格と女性2格・3格、男性1格と複数形2格、男性4格と複数形3格といった変化形の違いも見分けづらくなる。無冠詞で形容詞がない場合はさらに深刻で、名詞の語尾が変化するパターン(男性と中性の2格、名詞の複数形の3格)以外はまったく区別がつかなくなる。つまり、今挙げたケースでは、表面上見て取られる名詞の格変化だけではそれが1格なのか2格なのか3格なのか4格なのか、一義的に決定できないのだ。同じことが人称代名詞や再帰代名詞や関係代名詞や相互代名詞(主語が複数のときのsich)についても言える。中性三人称単数1格のesと4格のes、三人称複数1格のsieと4格のsie、一人称複数3格のunsと4格のuns、三人称再帰代名詞3格のsichと4格のsich、関係代名詞男性1格のderと関係代名詞女性3格のder、おまけに人称代名詞のihrと所有代名詞ihr(=不定冠詞類なので男性1格、中性1格・4格の名詞の前では無語尾)、また不定冠詞ソックリだが実際には数詞からの転用である不定代名詞einer/einem/einen/eine/ein(e)s、……いずれも外形からは区別できず、しかもドイツ語の文では語順すらさまざま融通無碍なかたちを取りうるというのでは、もはや、イディオム(一例:an:sehenという動詞は「sich(3) et(4) an:sehen」のかたちで「〈物(4)〉を鑑賞する」の意で用いられる)や文意の一貫性を頼りに、それぞれの名詞に適切に格を割り振るしかないように思える……。

実際そうなのだが、もう少し外形からでも名詞の格を絞り込めるようにしたい。そのための補助線がルール3「一つの節のなかに、独立した名詞(代名詞)は三つ以下しか現われない」なのだ。再確認するが、〈構造上の主語+述語動詞〉を中心とした一連の語群が〈節〉である。従属接続詞に導かれる副詞節、関係代名詞に導かれる形容詞節なども一つの節をなすと考える。〈文〉の中心は〈中核の述語動詞〉を含んでいる主節である。ルール3は、その〈節〉という単位のなかに独立した名詞(代名詞も含む)は限られた数しか現われないと言っているわけだ。

独立した名詞、というのは、独立していない名詞から逆に考えると理解しやすい。まず端的に前置詞と結合し、前置詞の格支配を受け全体で副詞ないし形容詞(名詞修飾)の働きをしている名詞は、独立していないと見做す。文法書によっては動詞と必然的に連動する前置詞格目的語を目的語として扱うこともあるが、ここでは前置詞と結合した名詞は一貫して独立していないものと見做す。「gegen die Demonstranten(デモ参加者に対して)」や「mit freundlichen Grüßen(心からの挨拶でもって)」や「am frühen Morgen(早朝に)」や「während der einen Woche(一週間の間)」や「von rund tausend Hochhäusern(約千のビルディングの…)」等々。このケースで注意すべきは、「meiner Meinung nach(私の意見では)」のように前置詞が名詞の後に置かれるかたちが稀にあることで、一種の成句として覚える必要がある。また、これらと近似するものとして、4格ないし2格で状況・様態を表わす副詞のように働く名詞──「kommenden Freitag(今度の金曜日に)」「lange Zeit(もう長いこと)」「den ganzen Weg(道中ずっと)」「die Weite und Breite(あたり一面)」「eines Tages(ある日のこと)」「einen Augenblick(一瞬の間)」「Den Tod im Herzen(胸中で死を決意して)」「endlose Paß-Straße(果てしない峠道で)」等々、いわゆる副詞的4格、副詞的2格──これらも独立していない名詞と見做す。構文の骨格を読み取ることを重視するRahmen für Beziehungにとって、これらの要素は決して文章の骨格をなすことがないという意味で副次的なのである。同じく、接続詞alsないしwieによって導かれ「……として」ないし「……と同じような」という意味になる単発の名詞もまた、独立しているとは見做さない。「als Sänger(歌手としての)」「wie Katja(カーチャと同じような)」等々。文法書によってはalsやwieをwegen(「weil es regnete=wegen des Regens(雨が降ったせいで)」──前置詞句が従属節の代わりになる)のような前置詞として扱っている。余談だが、直接alsと結合する名詞は、文中でそれと対応する名詞・代名詞と同格の格変化をする。「dem Schneehuhn, als der einzigen Vogelart(唯一の類としての雷鳥に)」」「Als meinen Schüler kenne ich ihn seit Jahren.(私は彼を数年前から生徒として知っている)」。

また、名詞の後ろか稀に前に置かれて付加語として名詞を修飾する属格=2格の変化形の名詞──「das rote Dach unseres Hauses(僕たちの家の赤い屋根)」「die Idee des Schönen(美という理念)」「der größte Teil der Schmiergelder(賄賂の大部分)」「Peters Buch(ペーターの本)」「aller Laster Anfang(あらゆるの悪徳の端緒)」「des Köngis Name=der Name des Königs(国王の名前)」「eine der wichtigsten Aufgaben(最も重要な課題の一つ)」等々も、すべて独立していない名詞と見做される。これらは限定用法の形容詞と同じように独立した名詞を修飾しているだけの副次的存在であるからだ。この2格の名詞は、名詞化された動詞を修飾するときには、元の動詞の主語や目的語(元の動詞が他動詞の場合)をvon前置詞句との組み合わせ等によって表現するのに用いられることもある。「die Entdeckung des amerikanischen Kontinentes von Kolombus(コロンブスによるアメリカ大陸の発見)」等。ちなみに「die Rettung der Kinder(子供を救済すること/子供が救済すること)」のように、かたちの上では動詞の目的語が表現されているのか主語が表現されているのか区別できないときもあるので注意せよ。かてて加えて、文体としては重くなるが2格の名詞が連続することもあるので注意。「Überlegung des Verhältnisses der anderen(他人とのかかわりについての考察)」等。そしてまた、属格=2格と似たようなケースとして、分詞を名詞修飾する形容詞として用いたとき作られる冠飾句のなかに出てくる名詞も、独立した名詞とは見做さない。例えば「ein den Studenten zu empfehlendes Buch(大学生たちに薦められるべき本)」というのは「Das Buch ist den Studenten zu empfehlen.(その本は大学生に薦められるべきだ)」というsein+zu 不定詞を元にした文章の、他動詞を現在分詞=受動分詞にし、さらにそれを形容詞として使うことでBuchを修飾する冠飾句へ変換したものだが、このなかに出てくる間接目的語の「den Studenten」(3格)は、もちろん独立した名詞ではない。例えば「Ich kaufe ein den Studenten zu empfehlendes Buch.」といった文章であれば本質は単に「Ich kaufe ein Buch.」という構造であり、「den Studenten」は名詞Buchを拡張する修飾要素にすぎないからだ。このケースで注意すべきは、冠飾句のなかに出てくる目的語が無冠詞の場合である。「die Kummer gewohnten Arbeiter(苦しいことに慣れている労働者)」等。「Kummer」は「苦労」を意味する男性名詞だが、ここでは形容詞として使われている過去分詞gewohntenの目的語として無冠詞の4格で現われている。が、そのことは外形からは若干わかりづらい。ちなみに「Arbeiter」は単複同形の男性名詞である。

付け加えれば、damit、darauf、worin、worüberといった前置詞と代名詞、および前置詞と疑問詞の融合形も、指示代名詞や人称代名詞とは異なり独立していないと見做す(ちなみに独立した指示代名詞には、付加語としてだけではなく名詞的にも用いられるdieserも含める。この用法では単数中性1格・4格はしばしばdies)。

最後に、同格のかたちで現われる名詞も独立した名詞とは見做さない。つまり、そこでは独立した名詞が二つ現われているわけではない。同格の名詞は一種の挿入語句のようなものであって、あってもなくても文は成立する。同格の名詞はそれが規定する語の直前か直後に出現しつつも、コンマや間で規定する語から切り離されているのが普通だが、関係が密な同格の場合は切り離されないで並列的に出現するので注意。「meine Freundin Regina(私のガールフレンドであるレギーナ)」「Onkel Dagobert(ダゴバートおじさん)」等。とりわけ人称代名詞を規定する同格の現われ方は特徴的である──「ich Esel(私ことバカ)」「du Unglüsrabe(不幸な君)」「Ihr Schweine(おまえら豚ども)」。

同格のかたちで現われる名詞についてのさらなる注記。まず、不定代名詞のallは、形容詞の複数と同じ格変化をして名詞的に用いられるが、自身とは別の代名詞と同じ格変化をして、「すべての…」という意味を同格の位置から付与する。例えば「Er dankt uns allen.(彼は私たち全員に感謝した)」という文は、unsもallenも3格だが、ここでは一つの文に3格の名詞が二つ入っているのではなく、uns=allenなのでどちらも3格(allの方がunsに合わせて格変化している)なのだと読解する必要がある。この同格のalleはそれに対応する代名詞の前にも後ろにも現われることができる。さらなる例文──「Menschen sind wie Flüsse: das Wasser, das in ihnen allen fließt, ist das gleiche und überall ein und dasselbe.(人間とは流れだ。あらゆる人間の流れのなかを行く水は一様で至るところで全く同一だ)」等。さらにまた、同格のかたちで現われる名詞として指示代名詞が使われている場合、それが長々しい副詞的付加語を伴って一見同格なのかどうか分かりづらいことがあるので注意。指示代名詞が対応している名詞と同じ格変化をしていることから、見抜くしかない。例文──「Und immer wird alles Böse den anderen, denen auf der anderen Seite der trennenden Mauder, in die Schuhe geschoben.(そして常にあらゆる悪い事が他の人々──分断する壁のあちら側にいる人々──のせいにされるのだ)」。ここで指示代名詞denenは複数3格で直前の「den anderen(他の人々)」と同格。そのdenenに「auf der anderen Seite der trennenden Mauder(分断する壁のあちら側にいる…)」という長い副詞的付加語がついていてコンマで区切られているという構図だ。この指示代名詞を独立した名詞と見做すと読解が混乱してしまうので、気を付けなければならない。この例に限らず、同格の名詞が長々しい冠飾句を伴っていてコンマで区切られていたりすると、独立した節のように見えてくるので注意。例文──「Seit jeher wird der Umgang des Menschen mit der Natur, sein in die Natur eingreifendes technisches Handeln, ambivalent empfunden.(ずっと以前から人間の自然との関わり方は、すなわち人間が科学技術によって自然に介入する行為は、両義的なものと感じられていた)」──ここでは「der Umgang」と「sein Handeln」が同格である。

(余談ながら、冠飾句について。形容詞や分詞のみならず名詞や前置詞句や副詞などを伴って前から名詞を修飾するドイツ語の冠飾句は、日本語の連体節と同じく異様に長くなる傾向があるが、とりわけ冠飾句のなかの名詞にさらに冠飾句が付いているという冠飾句の入れ子構造になると、とたんに文法解析が難しくなるので、注意せよ。そういう場合には内側の冠飾句の前にコンマが入るのが普通。例──「solche, unserem sonstigen Leben so fernen Dinge(われわれの日常的な生活から遠く離れたそのような物事)」等。ここでLebenが3格なのは「et(3) fern sein」=「〈物(3)〉とは縁がない」という成句による。))







以上で挙げた独立していない名詞を節からすべて取り除くと、一つの節のなかには三つ以下の独立した名詞(代名詞)しか残らない。それが、ルール3の言っていることだ。そしてその組み合わせは──大体において──次の五通りのいずれかである。
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1格のみ:Er kommt./Ich sollte müde werden.
1格+1格:Ich werde Artz./Es kommt ein Schiff.
1格+3格:Das gefällt ihm./Die Zeit vergeht mir schnell.
1格+4格:Er merkt es.
1格+3格+4格:Ich bringe dir die Post./Sie wascht ihm das Auto.
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急いで付け加えるが、実際にはこの五通り以外にも独立した名詞の組み合わせのパターンはある。出現頻度の稀なパターンも考慮すると実際には次の十一通りだ。
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(無主語:Bis in die Morgenstunden wurde diskutiert.)
1格のみ:Er kommt./Ich sollte müde werden.
1格+1格:Ich werde Artz./Es kommt ein Schiff.
(3格のみ:Mir ist unheimlich.(=Es ist mir unheimlich.)/Ihm wird geholfen.)
(4格のみ:Mich friert.(=Es friert mich.))
(1格+2格:Wir sind guten Mutes./Man gedenkt der Kindheit.)
1格+3格:Das gefällt ihm./Die Zeit verght mir schnell.
1格+4格:Er merkt es.
(1格+2格+4格:Man klagt ihn des Mordes an.)
1格+3格+4格:Ich bringe dir die Post./Sie wascht ihm das Auto.
(1格+4格+4格:Sie lehrt mich Grammatik./Sie nannte ihn einen Betrüger.)
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しかし、大抵の場合、Rahmen für Beziehung的なドイツ語文の読解においてこれらのレアケースは追う必要がないと思われる。まず無主語のパターンだが、これは前後の文脈から何が主語なのか推測が容易であり、主語以外の要素が倒置で文頭に出ている“受動文”に限られる。例文は「Angesichts des Todes mußte sofort gehandelt werden.(死に直面してすぐに行動を起こさねばならなかった)」等。3格のみと4格のみのパターンは、非人称のesが主語となっている節で倒置が起こりesが省略された結果このようなかたちになっている。このesの省略は4格では人称代名詞が文頭に来るときにしか起こらない現象なので、例えば「Es gibt in dieser Stadt eine Kirche.」という文章を副詞句の倒置で「In dieser Stadt gibt eine Kirche.」(かたちの上では4格のみパターン)とすることはできない。ドイツ語の文において、主語はそう簡単に省略することのできるものではなく、非人称の構文で倒置が起こったとしても、「Morgen wird es regnen.(明日は雨が降るそうだ)」というふうに非人称のesは省略されないのが普通である(ちなみに1格+1格のパターンの例文に現われているesは名詞1格の真主語に対応する仮主語──虚辞とも呼ばれる──のesである)。

「3格のみ」についてはもう少し補足が必要で、3格目的語を取る自動詞が受動のかたちを取ったとき──いわゆる非人称受動──、これも普通は非人称のesが主語として文頭に置かれるが、そのまま能動文からそのまま残った3格の目的語を文頭に置けば、やはりesが省略されて3格のみの節となる。「Wir helfen ihm.」→「Es wird ihm von uns geholfen.」→「Ihm wird geholfen.」ということ。4格目的語を伴う他動詞の受動のかたちでは4格目的語が主語になってしまうのでこのパターンはない。付け加えて言えば、実は、3格の目的語をも4格の目的語をも伴わないで動詞が受動のかたちになり、名詞以外の要素が文頭に来てesの省略が起こるならば、まさにそれが、「無主語」パターンということだ。例文──「Die Polizei foltert heute noch in vielen Ländern.」→「In vielen Ländern wird heute noch gefoltert.(多くの国では今日でもまだ拷問が行われる)」。以上、多少込み入ったがざっくりまとめると、「無主語」「3格のみ」「4格のみ」のパターンは、どれも非人称esを主語に置いた節で倒置が起こってesが省略されたケースだが、「4格のみ」でそれができるのは非人称の構文を作る動詞が人称代名詞の4格を目的語に取っているときだけ。「3格のみ」は非人称の構文を作る動詞が人称代名詞の3格を目的語に取っているとき(「An Bewunderung allein liegt ihr nichts.(単なる称賛は彼女にとって無だ)」)と、3格の目的語を取る自動詞が非人称受動のかたちになったとき。「無主語」は、動詞(自動詞/他動詞)が3格の目的語も4格の目的語も取らずに受動のかたちになり、副詞句などが倒置で文頭に来たとき。それらの場合にしか生起しない。

1格+2格のパターンは要するに2格の目的語を取る動詞や述語形容詞があるということだ。まずsein、werden、bleibenといった主語と同格の1格を導く動詞がまた2格の名詞をも導くときがある(「Dieses Wort ist lateinischen Ursprungs.(この語はラテン語を起源とする)」「Ich bin anderer Meinung.(僕は違う意見だ)」等)。これは慣用句として2格が形容詞的に用いられるケースであり、暗記するのが早いだろう。次に、2格の目的語を必然的に伴う動詞や述語形容詞というのは、古いドイツ語文法の名残りであり、現在の日常的なドイツ語の文ではほとんど用いられることがないものである。ただ、注意すべきは法律用語で、法律の分野で用いられる言葉は保守的なので動詞も比較的目的語に2格を取る性質を保持していることが多い。「Der Mann ist des Todes schuldig.(その男は死罪に値する)」。同じことが1格+2格+4格のパターンについても言える。日常的にはほとんど用いられないが、古風なドイツ語の文体を維持している分野では4格の人物目的語と2格の事物目的語を取る動詞が残存している。「Die Räuber haben den Wanderer alles des Gelds beraubt.(盗賊が旅人からお金を全部奪い取った)」。いずれにせよお目にかかることは稀であるし、日常的に用いられるときは2格の目的語を前置詞句で置き換えるのが普通だ。そしてまた、1格+4格+4格のパターンのように4格の目的語を二つ取る動詞も稀である。それらは、3格と4格の目的語を一つずつ取る動詞(1格+3格+4格のパターンになる)と比べると圧倒的に少数なので、1格+4格+4格のパターンとして考えるよりも成句として覚え込む方がよい。中辞典に載っている主なものはおおよそ以下の六つである。

Sie fragt mich Grammatik ab.(彼女は私に文法の試験を課した。)
Sie lehrt ihn das Reiten.(彼女は彼に乗馬を教えた。)
Deine Unvorsichtigkeit wird dich das Leben kosten.(軽率さは君の命取りになるだろう。)
Sie nennt ihn einen Bücherwurm.(彼女は彼を本の虫と呼んでいる。)
Wir heißen ihn unseren Freund.(我々は彼をわれらが友人と呼んでいる。)
Sie schalt ihn einen Dummkopf.(彼女は彼を馬鹿野郎と罵った。)

「j(4) + et(4) ab:fragen」で「〈人(4)〉に〈事(4)〉について試問する」
「j(4) + et(4) lehren」で「〈人(4)〉に〈事(4)〉を教える」
「j(4) + et(4) kosten」で「〈人(4)〉に〈物(4)〉を失わせる」
「j(4)/et(4) +4格の名詞 nennen」で「〈人(4)〉/〈物(4)〉を……と名付ける」
「j(4)/et(4) +4格の名詞 heißen」で「〈人(4)〉/〈物(4)〉を……と見做す」→自動詞としての用法もある
「j(4)/et(4) +4格の名詞 schelten」で「〈人(4)〉/〈物(4)〉を……と罵る」

これ以外では、一見4格の目的語を二つ取っているように見える場合でも、必ずどちらかに前置詞がついているはずである。例えば「Ich beneide ihn um sein Glück.(私は彼の幸運を羨む)」という文章であれば、「j(4) um et(4) beneiden(〈人(4)〉の〈物(4)〉を羨む)」という4格の名詞二つを伴うイディオムが元になっているが、この羨まれる〈物(4)〉の方は必ず前置詞umと結合していなければならない。だからパターンとしては「1格+4格(+前置詞格目的語)」に分類される文章となる。

しかしながら、実は上に挙げた十一通りのパターンをさらに逸脱するパターンがある。というのは、いわゆる話法の助動詞に準ずる動詞──zuのない不定詞を伴い助動詞と同様にワク構造の述語部分を形成するlassen(使役動詞)、sehen、hören、finden、fühlen(以上知覚動詞)といった動詞が、述語動詞になるときだ。これらはそれぞれが「〈人(4)〉に……させる」「〈人(4)〉が……するのを見る/聞く/認める/感じる」というふうに、連動する不定詞とは独立して自分で目的語を導入してしまうので、不定詞の目的語と複合して4格の目的語が一つ多い節を作り出すのである。英語でも、「I make him kill her.」というふうに「make」と「kill」の両方の動詞の目的語が一つの節に収まってしまうということが起こるが、同じことはドイツ語でも起こる。

Ich lasse ihn sie töten.(私は彼に彼女を殺させる。)
Ich sehe den Sohn den Vater anrufen.(私は息子が父に電話しているのを見る。)
Ich höre einen Mann Geige spielen.(私は一人の男がヴァイオリンを弾くのを聞く。)
Die Belastung läßt ihn wichtige Reize nicht mehr wahrnehmen.(そのストレスが彼に重要な刺激をこれ以上知覚できないようにさせる。)

これらの例文における独立した名詞を数えると、とくに4格の目的語を二つ取る動詞が使われているわけではないのに、「1格+4格+4格」のパターンになってしまっている。実際にはこれは使役動詞や知覚動詞が必然的に伴う不定詞の、その動作を実際に行う人物が4格として付け加えられていると分析できる。したがって、例えば「töten」を単独で述語として用いた場合は「1格+4格」のパターンにしかならないのだから、以上を「1格+4格+4格」として考えるのではなく、使役動詞・知覚動詞が述語動詞に使われたときの特例パターンとして捉えた方がよいと思われる。

ちなみに話法の助動詞に準ずるlassenには「……させておく」という認容の意味もあるので注意。「Ich lasse mich nicht beleidigen.(私が侮辱されるがままでいるようなことはない)」等。







ルール4:一つの節のなかに現われる独立した名詞(代名詞)の組み合わせは、「1格のみ」「1格+1格」「1格+3格」「1格+4格」「1格+3格+4格」の五通りでほぼ尽くされる。(※ただし述語に使役動詞・知覚動詞が使われた場合は4格の名詞が一つ増える)

上述の六つのレアケースをカッコに入れることで、このルール4が導き出される。そしてこのルールを適用すると、必然的に、もし或る節のなかの独立した動詞のうちの一つが4格だと判明すれば、残りの独立した名詞は十中八九1格か3格であるとつねに消去法で決まることになる。名詞の外形からはまぎらわしくて格を一義的に解釈できず、その上語順が錯綜していてどれが主語なのかどれが目的語なのか分かりにくいケースでも、ルール3、ルール4を応用して〈独立した名詞〉にのみ着目すれば、かなりの確率で容易にドイツ語の構文を捉えることができるのである。

補足的に記すが、受動文では能動文で4格目的語だったものが主語に変わるわけだが、3格の目的語は(前置詞格目的語も)そのまま受動文に入る。つまり意味的に「1格+3格+4格」と相同な「1格+3格」のパターンがあるということだ。例えば「Die Journalisten stellen dem Präsidenten eine Frage.(その記者は大統領に質問した)」を受動形にすれば「Eine Frage wird ihm stellen.」となり、パッと見では分かりにくいが「1格+3格」のパターンである。

もっと補足。「1格のみ」のパターンには、本来「1格+4格」のパターンなのに他動詞の目的語が省略されて「1格のみ」になるケースがある。目的語が「われわれ」とか「一般的な人」というふうに文脈上想定可能なときにはこのケースにも注意せよ。「An Josefine fordert manches zum Lachen auf.」──「j(4) zu et(3) auf:fordern」で「〈人(4)〉に〈事(3)〉するよう促す」という意味だが、目的語〈人(4)〉が省略され、主語が「manches(名詞的に・かなりの事物)」だと理解できないと目的語を探して途方にくれる羽目になる。「ヨゼフィーネにはわれわれを笑いに誘う多くの要素がある」。

さらに補足。特殊なイディオムで、倒置まで起こって「1格のみ」のパターンなのにまったくそうは見えないというタイプの文がある。「Wert auf et(4) legen」は、Wertを主語にした「〈物(4)〉を重視する」という意味の成句だが、例えばこれを使った文章「Wert legte bei der Schule auf alle Regeln.(その学校ではあらゆる規則を重視した)」に副詞を加えて倒置を行いさらにsein+zu 不定詞のかたちにすると、「Seit jeher war bei der Schule auf alle Regeln Wert zu lagen.(ずっと以前からその学校ではあらゆる規則が重視されなければならなかった)」となる。これでもWertとlegen(zu legen sein)の「1格のみ」のパターンなのだ。似たような成句として「Gewicht auf et(4) legen」=「〈物(4)〉を重視する」、「Nachdruck auf et(4) legen」=「〈物(4)〉を強調する」がある。

ついでに補足。基本的なことだが「1格+3格」「1格+4格」の特殊ケースである、体調や身体状況を表す動詞とともに用いられる非人称のesについて復習しておこう。これは案外ドイツ語に特有の文型であるように思われるからだ。例えば英語で「well」を使って「私は元気です」という文章を作ろうと思えば「I'm well.」だけで非常にシンプルである。ところがドイツ語で英語のwellに相当する「wohl」を使って同じような文章を作ろうとすると、「Es ist mir wohl.」(1格+3格)、ないしは「Mir ist wohl.」(3格のみ)でなければならず、英語の感覚に慣れていると面喰らう。これらは非人称主語のesと人称代名詞3格がともに用いられている形だが、「Es friert mich.」のように人称代名詞に4格を用いる場合もあり、3格と4格のどちらになるかは述語(動詞、述語形容詞)によって決まるので覚えるしかない。英語にも天気を表す場合など、「It's rains.」と非人称主語を用いることはある。が、ドイツ語では体調や身体状況を表すときにも非人称主語が用いられ、しかもその際、「誰がそのような状況にあるか」を3格・4格の人称代名詞で示唆するというわけだ。ちなみにこれは一般的なかたちとしては辞書では動詞「sein」の項目にも載っている。「j(3)/et(3) ... sein」で「〈人(3)〉/〈物(3)〉の状態が……である」という意味だというふうに。3格が主語的になるという普遍的形式。

Rahmen für Beziehungでこれらのルール3、ルール4の適用において重要なのは、後述の複文の話にかかわるが──〈独立した名詞〉のなかには従属接続詞daßや疑問詞wannなどによって作られる名詞節や、仮目的語(虚辞)のesと対応する真目的語のzu 不定句といったものも含まれる点だ。

Ich weiß nicht, wann er zurückkommt.(彼がいつ戻ってくるのか私は知らない。)
ここでwann節は「1格のみ」のパターンの一つの節になっているが、それ自体が間接疑問文=名詞節として主節の述語動詞weißの目的語となって組み込まれている。文全体では「1格+4格」のパターンで、4格の目的語の位置に名詞節が〈独立した名詞〉と同等の存在として現われているケース。このケースでも「Ich weiß es nicht, wann ...」と仮目的語のesを用いることは文法上可能だが、一般的な語法としては稀である。目的語になっている名詞節に対し仮目的語esが用いられるのは主に感情的な事象を表現する動詞の場合に限られるようだ。「Ich hasse es, daß du ständig zu spät kommst.(私はきみがしょっちゅう遅れてくるのが嫌なのだ)」。

Ich hatte in diesem Winter [es] angefangen, an die Kinder aus der Nachbarschaft Bücher auszuleihen.(私はこの冬に、近所から来る子供たちに本を貸し出すことをやり始めた。)
an以下のzu 不定句が述語動詞an:fangenの真目的語となっている。過去完了の形を取り払って簡略化すれば、「Ich fange es an, an die Kinder Bücher auszuleihen.」であり、文全体では「1格+4格」のパターンである。動詞aus:leihenは「et(4) an j(4) aus:leihen」のかたちで「〈人(3)〉に〈物(4)〉を貸し出す」の意味。「die Kinder aus der Nachbarschaft」で「近所から来る子供たち」の意味。さまざまな名詞を含むzu 不定句それ自体が主節において〈独立した名詞〉と同等に扱われているケースだ。こうしたケースでも仮目的語のesは省略されることが多い。「Ich habe vor, ihm gründlich die Meinung zu sagen.(私は彼に徹底的に意見を言うつもりだ)」。

ところで、「名詞の外形からも語順からもそれが何格なのか分からない」という困難な状況をもたらし易いのは、とりわけ名詞が無冠詞で現われるときである。無冠詞の名詞の用法はドイツ語の文法書にいくつか載っているだろうが、ここで指摘しておきたいのは目的語として現われる無冠詞の名詞だ。

Geben Sie mir Antwort!(答えをください!)

この例文では動詞gebenの4格の目的語のAntwortの冠詞がない。これは、「答えをくれ」というような動詞とその目的語が不可分に結びついているようなときに目的語の冠詞が不要とされるケースである。したがって、無冠詞の名詞が出てきたときに実は4格ではないか?と考えてみることはいくらか有用だ。同様に、「zu Fuß(徒歩で)」の成句のように前置詞と不可分に結びついた名詞もしばしば冠詞が不要とされる傾向があるが、この現象はルール3、ルール4とはあまり関係がない。







ルール5:前置詞句の働きは、前置詞格目的語、副詞(状況語)、副詞的付加語(名詞修飾)に大別される。

ここから上述の〈独立した名詞〉のカテゴリーからは外した前置詞句について分析する。ドイツ語の文で前置詞句(前置詞+名詞)の登場頻度は比較的多いように感じられる。それらを取り除いて構文の骨格を明確化したあとは、つづいて、文中の数多の前置詞句のそれぞれの機能を把握することが正確な読解への近道であると思われる。

議論の前に、主な前置詞を意味的に分類しておこう。
▼目的:zwecks+2格「……のために」、zu+3格「……のための」、um+2格+willen「……のために」、für+4格「……のために」、auf+3格「……の用向きで」
▼原因:wegen+2格「……のゆえに」、an+3格「……のせいで」、über+3格/4格「……のせいで」、aus+3格「……から」、vor+3格「……から」、infolge+2格「……のせいで」、von+3格「……が原因で」
▼根拠:3格+zufolge「……に基づいて」、3格+nach「……によれば」、auf+4格「……によって」
▼条件:bei+3格「……の場合に」、unter+3格「……の条件で」
▼譲歩:trotz+2格「……にもかかわらず」
▼場所:in+3格/4格「……のなか」、aus+3格「……(の内)から」、auf+3格/4格「……の上」、unter+3格/4格「……の下」、neben+3格/4格「……の傍ら」、bei+3格「……の近く」、vor+3格/4格「……の前」、hinter+3格/4格「……の後ろ」、über+3格/4格「……の彼方」、an+3格/4格「……の際」、nach+3格「……の方へ」、von+3格「……から」、bis+4格「……まで」、zu+3格「……のところへ」、außerhalb+2格「……の外側に」、innerhelb+2格「……の内側に」、zwischen+3格/4格「……のあいだ」
▼時:in+3格/4格「……時点」、um+4格「……の時刻に」、gegen+4格「……頃」、vor+3格「……の前に」、nach+3格「……の後で」、seit+3格「……以来」、von+3格「……から」、bis+4格「……まで」、bis an+4格「……まで」、bis in+4格「……まで」、zu+3格「……のときに」、binnen+3格「……以内に」、während+2格「……の期間に」、bei+3格「……のときに」、an+3格「……のときに」、auf+4格「……の時期に」、über+3格/4格「……が過ぎて」、für+4格「……の期間に」
▼様態:mit+3格「……とともに」、durch+4格「……を通って」、gegenüber+3格「……と向かい合って」、gegen+4格「……に面して」、gemaß+3格「……次第で」、anstatt+2格「……の代わりに」、in+3格/4格「……の状態」、auf+4格「……を期待して」
▼道具:mit+3格「……でもって」、für+4格「……で」、auf+4格「……で」、per+4格「……でもって」
▼相反:entgegen+3格「……に背いて」、wider+4格「……に反して」
▼配分:pro+4格「……につき」
▼数量:zu+3格「……で」
▼差異:um+4格「……だけ」
▼結果:zu+3格「……に(なる)」
▼連辞:außer+3格「……以外に」、neben+3格「……と並んで」
▼所属:von+3格「……の」(属格の代わり)、aus+3格「……出身の」
▼制限:ohne+4格「……を除いて」、außer+3格「……なしで」、bis auf+4格「……を除いて」(bis auf+4格「……を含んで」の意味も!)
▼動作主:durch+4格「……によって」、seitens+2格「……の側から」、von+3格「……によって」
▼関連点:für+4格「……に対して」、um+4格「……をめぐって」、von+3格「……について(直接)」、gegen+4格「……に対して」、an+3格「……の点で」、über+4格「……について(間接)」、3格+gegenüber「……に対して」、in bezug auf+4格「……に関して」、in Hinsicht auf+4格「……を顧慮して」、mit+3格「……に関しては」、vor+3格「……に対して」
▼代替:anstatt+2格「……に代わって」
▼最低値:ab+3格「……以上」
※zuは英語のto(≠too)と違ってそのままのかたちで「あまりに……すぎる」の意味の副詞にもなるので注意。
※それと似てvorも名詞と結びついて「……のあまり」の意味になる。「vor Zorn(怒りのあまり)」。用法としては「原因」に近い。
※mitは単独で用いられ「一緒に」「付随して」「同時に」の意味の副詞にもなる。

前置詞句のなかでまず区別しなければならないのは、「前置詞格目的語」として機能する前置詞句である。前置詞句のなかには述語動詞や述語形容詞と密接に結びついていて随意に削ったり添加したりできないものがある。言い換えれば、或る種の動詞が必ず4格の目的語や3格・4格二つの目的語を伴うように、必ず特定の前置詞を伴う動詞や形容詞が存在する。そのように動詞や形容詞に依存して出現する前置詞句を、文法的には「前置詞格目的語」と呼ぶ。前置詞格の前置詞句はすべに述べたように文に任意に添加したりすることはできず、また使われている前置詞に選択の余地はなく、さらにそこで用いられる前置詞は本来の意味を失っているのが普通である。例えば「Ich warte auf den Brief.(私は手紙を待っている)」における前置詞aufは本来の「……の上で」という意味を失っていて、動詞wartenと連動しなければ意味をなさないものとなっている。他の例を挙げると、

Ich hoffe auf eine gute Nachricht.(私は良い知らせを待ち望んでいる。)
「auf et(4) hoffen」で「〈事(4)〉の実現を待ち望む」
Sie beschäftigt sich mit Forschungsarbeiten.(彼女は研究活動に取り組んでいる。)
「sich(4) mit et(3) beschäftigen」で「〈事(3)〉に没頭する」
Ich bat ihn um ein Interview.(私は彼に会見を求めた。)
「j(4) um et(4) bitten」で「〈人(4)〉に〈物(4)〉を求める」
Das Kind ist auf ihre Hilfe angewiesen.(その子供は彼女の助けが必要である。)
「auf j(4)/et(4) angewiesen sein」で「〈人(4)〉/〈物(4)〉が頼りである」

「前置詞格目的語」という前置詞句において紛らわしい点は、かたちとしては、前置詞を伴っている以上、副詞的な前置詞句とまったく同じはずであるにもかかわらず、機能としては、「目的語」と言っているように実質名詞に近いということである。これは、前置詞格目的語の内容が形式的に代名詞的副詞のような相関詞(≒先行詞)によって先行されるときに、より明らかになる。

Hast du daran gedacht, Katzenfutter zu besorgen?(君は猫の餌を買うのを憶えていたかい?)
Ich warte darauf, daß du endlich kommst.(僕は君が来ることを待ちかねている。)
Ich rate dir [dazu], nicht auf ihn zu hören.(僕は君に彼の言うことを聞かないように忠告する。)
Ich freue mich [darüber], daß du gekommen bist.(君が来てくれて僕は嬉しい。)

これらの例文で相関詞daranやdaraufに対応しているzu 不定句およびdaß節は、意味的に言って、名詞節(的なもの)であろうか、それとも副詞節(的なもの)であろうか? かたちからは代名詞的副詞と相関しているのだから後者であるように思えるが、機能としてはほとんど名詞節(的なもの)ないし形容詞節と言ってよさそうである。それは、とくにこれらの相関詞が省略されるとより名詞節(的なもの)としての性格がはっきりすることからもそう言えるだろう。下二つの例文ではもはやzu 不定詞やdaß節は主節の真目的語として機能している名詞のようにしか捉ええない。(ところで、ここで「名詞節的なもの」と言って名詞節と断言しないのは、zu 不定句の方は明示的な主語を持たずそこに現われる動詞も文法上述語動詞ではないので、名詞節と等価ではないからである。daß節の方はシンプルに名詞節と言えるのだが。分詞構文についても当てはまることだが、〈節〉のように機能するが文法上は節ではないものを、今後も「……節的なもの」と呼ぶことにする。一応省略副文という呼び方もある。)

さて、翻って、表面上のかたちは等しく同じでも、前置詞句を「前置詞格目的語」ではなく「副詞」と捉えるならば、その文中の機能はまったく変わってしまう。一般に副詞はまた「状況語」とも呼ばれ、文のなかで表現されている出来事が起こった状況を表わす要素にもなるのだ。そして副詞として機能する前置詞句、というよりも副詞一般はその大半が随意的である。つまりその副詞を削っても文は成立する。以下はどちらも文法上正しい完全な文である。

Sie ist für ein paar Tage verreist.(彼女は数日間旅に出ている。)
Sie ist verreist.(彼女は旅に出ている。)

なかには、随意に削ることのできない前置詞句(副詞)もある。例えば「Sie wohnt in München.(彼女はミュンヘンに住んでいる)」における「in München」がそうで、これを削った「Sie wohnt.」は文として成立しない。とはいえこの前置詞句は前置詞格目的語のようには動詞wohnenと必然的に結びついてはおらず、要するに「住んでいる」以上は「どこか」に住んでいることも明示しなければ常識に反するというだけのことで、inを用いた前置詞句以外にも、「Sie wohnt bei München.」「Sie wohnt hinter München.」「Sie wohnt unter dem Dach.」のようにあらゆる前置詞を用いる選択の余地がある。

ちなみにこの状況語としての前置詞句は、sein「……である」、werden「……になる」、bleiben「……のままである」といった名詞1格を導くことのできる動詞のあとにそのまま出現することができる。ドイツ語では形容詞と副詞の境が曖昧なのだ。「Ich bin in der Stadt.(私は街にいます)」、「Der Wein ist von letztem Jahr.(ワインは去年のものだ)」等々。

そしてまた、副詞としての前置詞句は、「状況語」という性格を脱して、名詞を修飾する付加語のように機能することもできるのである。それが「副詞的付加語」における機能である。例えば次のような文における二つの前置詞句を比較してみよう。

Das Haus verwittert auf dem Hügel.(その家は丘の上で風雨にさらされて朽ちている。)
Das Haus auf dem Hügel verwittert.(その丘の上の家は風雨にさらされて朽ちている。)

上の例文では「auf dem Hügel」は状況語として「その家が風雨にさらされて朽ちている」状況全体を修飾しているが、下の例文では「その家」のみを修飾している。この下の例文の「auf dem Hügel」のように機能している前置詞句は、名詞修飾をする「付加語」と見做すことができ、被修飾語のすぐそばに現われているということにおいてそれと判別できる。他の例としては「die Wohnung von meiner Freundin(僕のガールフレンドの住まい)」「Das Konzert in der Waldbühne(森のステージで行われるコンサート)」等。また、今例に出した「auf dem Hügel」や「von meiner Freundin」は基本的にどんな名詞でも修飾することができるが、副詞的付加語である前置詞のなかには特定の名詞ととくに結びつきの強いものがある。「der Brief an meine Freundin(私のガールフレンド宛の手紙)」「mein Geschenk für ihn(私の彼へのプレゼント)」「mein Änger über sein Verhalten(彼の態度に対する私の怒り)」等々。ここにあらわれているanやfürやüberは前置詞としての本来の意味を失っているので、これらを「副詞的付加語」とは区別して扱っている文法書もあるが、ここでは、単純に名詞修飾をしている前置詞句=副詞的付加語であると一括して扱う。

したがって、文のなかで〈独立した名詞〉とは区別される数々の前置詞句は、三つの機能──前置詞格目的語、副詞(状況語)、副詞的付加語(名詞修飾)という三つの機能のうちのいずれかを担っているとシンプルに考えてよい。やみくもに辞書を繰って前置詞句の意味を考えるより、つねにこれら三つの選択肢を念頭において読むほうがより早く正確な読解にたどり着けるはずだ。

余談だが、「前置詞+形容詞・副詞」の組み合わせで一つの副詞(状況語)のように機能する熟語がある。「im voraus(前もって)」「im klaren(はっきりと)」「von weitem(遠くから)」「im ganzen(全体としては)」等。







ルール6:複文の種類は、主節+並列節/+名詞節/+形容詞節/+副詞節の組み合わせで尽くされる。

このルール6は、要するに従属節は名詞節、形容詞節、副詞節の三つに分類でき、主節と等位であるところの並列節と合わせてこれら四種+主節の組み合わせですべての複文は表現できるということである。

このルール6を応用できるようになるにはそもそも並列節とは何か、名詞節とは何か、形容詞節とは何か、副詞節とは何かを理解していなければならない。ところでくり返すが、ここで言う〈節〉には本来文法的には節ではないzu 不定句や分詞構文も留保つきで含む。これらは動詞を中心に作られる語の連鎖であり、短い従属節よりは拡張されたzu 不定句や分詞構文の方がよほど〈節〉らしくあり、しかもドイツ語の文ではこれらは原則コンマで区切られるという点でも、ほとんど〈節〉と変わらないように見える。実際には構造上の主語を持たず、動詞も述語動詞として現われるわけではないので〈節〉ではないのだが、以下ではzu 不定句や分詞構文もあまり頓着せず〈節〉の一種として扱う。

ドイツ語では英語と違って従属節(拡張されたzu 不定句も)は原則として必ずコンマで括り出すことになっており、しかも従属節を導入する語の省略も稀なので、英語よりはるかに従属節の構造を把握しやすいように思われるが、しかし、厳密に原則を守っていれば従属節を添加できるという性質が仇をなして、ごたごたと従属節のくっついた異常に入り組んだ長文ができあがってしまうこともある。

Günter, der mich gestern, als ich gerade zu dir gehen wollte, anrief, um mich zu fragen, ob ich nicht Lust hätte, ein bißchen zu rudern, legte wütend auf, als ich ihm sagte, daß ich was Besseres zu tun hätte.(ギュンターは昨日、僕が君のところへ行こうかと思っていた頃合いに、ちょっとボードを漕ぎに行こうじゃないか、その気はあるかと僕に尋ねるために電話をかけてきたのだが、僕が彼にもっと良いことをする予定があると答えると、怒り狂って電話を切った。)
この例文の主節の主語は冒頭のGünterだが、定形2位に置かれた主節の述語動詞すなわち〈中核の述語動詞〉はそこから遠く離れたauf:legen(電話を切った)である。「Günter legte wütend auf.」という短い文章に、関係代名詞によって導かれる関係節(形容詞節)、als節(副詞節)、um+zu 不定句(副詞節的なもの)、ob節(間接疑問文=名詞節)、名詞修飾をするzu 不定句(形容詞節的なもの)、als節(副詞節)、daß節(名詞節)、がごたごたとくっついて異様に長い文になっている。とりわけob節の間接疑問文がum+zu 不定句の動詞fragenの目的語になっているところなど、カオスである。ここまで入り組んだ長文になるとパッと見ではどこか主節かを読み取ることも難しいし──「der mich〜zu rudern」までが関係節内だとすぐに気づけるだろうか?──従属節もかたちは同じなのに名詞節であったり副詞節であったりと機能が違うことがあり、例えば上の例ではさらにum+zu 不定句のumを省略することができてしまうし、daß節が名詞節以外にも形容詞節として働くことがあったり(英語におけるthatに近似)と、初級〜中級者を悩ませる躓きが満載である。結局は従属節一つひとつについて逐一その機能を曖昧に捉えず構文読解していくほかないだろう。

(※術語についての注釈。ここで言う「従属節」とは、主節と並列節以外の、語順が定形後置のかたちを取る名詞節・形容詞節・副詞節のすべてを含んでいるが、一般に文法用語で「従属接続詞」と呼ばれるものが作るのは副詞節である。ただし従属接続詞のなかには名詞節を作るのに使えたりするものも幾つかある。)

(※コンマについての注釈。従属節は原則としてコンマで区切られると書いたが、ごく稀にコンマが省かれることがある。明らかに述語動詞でしかないものが変な語順で出現したときはその可能性を考えること。例──「Nur kommen wir dadurch, solange die vielen Teufel in uns sind noch immer zu keinem Wohlbefinden.(ただしかし、私たちの内に大勢の悪魔がいるかぎり、私たちだけが相変わらず調子が狂うことになるのだ)」──sindは現在形だから述語動詞でしかありえない。これはsindの直後にコンマがあって、従属接続詞solangeが作る副詞節がそこで終わっていると考えなければ文法的に一貫しない。例──「Eine heikle Aufgabe, ein Auf-den-Fußspitzen-gehn über einen brüchigen Balken der als Brücke dient.(爪先立ちで橋代わりの朽ちた角材の上を歩くという厄介な課題)」──一見derの位置付けが意味不明だが、男性名詞Balkenを相関詞とする関係代名詞1格と読めば意味が通る。Balkenとderのあいだに本来ならコンマがあるところ。)

とりわけ厄介なのは名詞節かもしれない。というのも、名詞節は文中で名詞と同等に機能する従属節なわけだが、通常の名詞であれば格変化することで自身の文脈上の意味を示唆するのに対し、名詞節は一切格変化をすることがないからである。とりあえず名詞節の出現パターンを網羅してみると、まず、名詞節は主語、および主語と同等の1格の名詞の位置に現われることができる。くり返せば、ここで言う名詞節はzu 不定句や分詞構文のような「名詞節的なもの」も含む。

Daß der Mond auf die Witterung Einfluß übt, ist eine verbreitete Ansicht.(月が気象に影響するということは、よく知られている見解である。)
Daß es dir inzwischen besser geht, freut mich herzlich.(そうこうするうちに君が元気になって、心から私は嬉しい。)→ここでのfreuenは「〈人(4)〉を喜ばせる」の他動詞
Es macht Donald wütend, daß Daisy mit Gustav ausgegangen ist.(デイジーがグスタフと一緒に出かけたことに、ドナルドは腹を立てている。)
Mein einziger Trost ist, daß es andern auch nicht besser geht.(私の唯一の慰めは、他の人々も特に上手くいっているわけではないということだ。)
Das erste, was er tat, war natürlich, daß er sich einen Farbfernseher kaufte.(彼が最初にしたことは、当然カラーテレビを買うことだった。)
Warum er das getan hat, ist mir ein Rätsel.(なぜ彼がそんなことをしたのか、私には謎だ。)
Es ist nicht mehr zweifelhaft, wie die Erscheinung der Sternschnuppen zu erklären ist.(流星の現象がどう説明されうるかは、もはや疑問の余地がない。)
Ob sie das weiß, ist nicht sicher.(彼女がそれを知っているかどうか、さだかではない。)
Wie kommt es, daß du so traurig bist?(そんなに悲しくしているのはどうしてだい?)
Regelmäßig abzuwaschen war ihm zu anstrengend.(そのつど皿洗いするのは、彼にとって骨の折れることだった。)
Nach Berlin zu ziehen ist ihm nicht leicht gefallen.(ベルリンへ移ることを決心するのは彼には容易ではなかった。)
An die Luft des gewöhnlichen Tages zu treten, ohne starken Entschluß und äußern Ansporn ist schwierig.(確固とした決意や外側からの働き掛けなしに、日常生活の雰囲気のなかへ抜け出すことは、難しい。)
So also war es, geküßt zu werden.(なるほど、キスされるというのはこういうことだったのだ。)
Das Buch des Nachbarn heimlich mitzulesen gilt als peinliche Tat eines Fahrgastes.(隣りの人の本を密かに盗み読むことは、満員電車の乗客のあいだでは失礼な行為だと見做されている。)
Zum Erfolg beigetragen zu haben war ihr wichtig.(成功に寄与したことが彼女にとっては重要だった。)

従属接続詞によって導かれる名詞節としては、通常はdaß、ob、および疑問詞によって導かれる名詞節(間接疑問文=疑問副文)だけが主語の位置を占めることができる。三番目の例文では仮主語のesが主語の内容を示すdaß節に先行してその代わりをしている。一番下の例文の、zu 不定句が主語に来ているケースは、現在完了のzu 不定句になっていて主語のなかに二つの動詞(不定形&完了形)があるという特異なかたちである。いずれにせよzu 不定句が主語の位置に来る場合はコンマで区切らないことになっているので、注意が必要だ(もちろん「Es war ihr wichtig, zum Erfolg beigetragen zu haben.」というふうに仮主語esを先行させてzu 不定句を後置するならばコンマで区切られる)。さらに注意すべきは、次のようなケースだ。

■Frisch gewagt ist halb gewonnen.(思い切って行えば、もう半分達成したも同然だ。)
分詞構文ではなく、他の要素を伴った分詞すなわち「分詞句」が主語として用いられることがある。これは名詞化した分詞とは異なるので注意。

■Das Warten auf die Testergebnisse war nervenaufreibend.(試験の結果を待つことは神経をすり減らすようなことだった。)
これはwartenという動詞を不定形で頭文字を大文字にして中性名詞化したものを主語に用いているわけだが、動詞wartenが必然的にともなうauf以下の前置詞格目的語があとにつづいて、〈節〉と見紛うほどに長々しい主語と化している。(※この項とは直接関係ないが、中性名詞化した不定詞は英語の動名詞と同じようにそれ自身の主語S’を持つことがある。そうでなくとも名詞化した動詞の主語は何か、と考えることは、これを〈節〉なものと捉えた場合には翻訳する上で重要だ。もちろんすでに文中に出てきている単語であったりmanという一般的で漠然とした主語であることが多い。)

■Die möglicherweise negativen Testergebnisse macht uns ängstlich.(思わしくないであろう検査の結果がわれわれを神経質にする。)
周知のように冠飾句は異様に肥大した主語を作り出すが、ここでは冠飾句のなかに「副詞」が登場していることに注目しよう。möglicherweiseは「ひょっとすると」という意味の副詞で、語尾変化せずに冠飾句のなかに紛れ込んでいる。なぜか語尾変化していない形容詞が前から名詞を修飾しているように見えるときは、それが冠飾句のなかの副詞かもしれないと考えよ(辞書に載っている副詞としての意味の方で読む)。

■Seinen Feinden verzeihen ist edel.(敵を許すということは、高貴である。)
諺に類する表現においては、動詞の不定形がそのまま主語となることがある。

疑問代名詞から転化した不定関係代名詞werとwasによって作られる従属節=関係節も、主節でそれに対応する1格の指示代名詞が省略された場合は、形容詞節ではなく1格の位置に来る名詞節として見做しうる(指示代名詞の省略など一切関係ない間接疑問文=疑問副文と混同しないこと)。英語で言うところのwhoeverとwhatに近似。省略される指示代名詞が1格なら、不定関係代名詞が作る関係節のなかでwerやwasが1格ではなくてもその関係節を1格の名詞節と見做してよい。werやwasの格変化はその関係節内でのそれら不定関係代名詞の役割に従う。ちなみに関係節内でwasに前置詞を付けることが求められる場合は、「wovon」「womit」のようにwo-による代名詞的副詞で代用する。

Wer das sagt, [der] macht sich allerdings verdächtig.(それを言う者は、必ず嫌疑を掛けられる。)
Wer fremde Sprechen nicht kennt, [der] weiß nichts von seiner eigenen.(外国語を知らない者は、自国語についても知るところがない。)
Was Sie gesagt haben, [das] ist vollkommen richtig.(あなたの言ったことは、完全に正しい。)
[der] Glücklich lebt, wer sorglos ist.(心配がない者は幸福である。)
Ich bin [das], was ich nie werden wollte.(私は、決してなりたくなかった職業に就いている。)
Er ist nicht [das], was er scheint.(彼は外見のような人間ではない。)
Wen anderer Unglück freut, [der] ist ein schlechter Mensch.(他人の不幸が喜ばせる者は=他人の不幸を喜ぶ者は、悪人である。)
Zu mächtig quillt [das] hervor, wovon mein Herz voll ist.(私の心を満たしているものが、あまりにも力強く湧き出る。)

不定関係代名詞wasで作られる従属節を、主節のなかの中性の人称代名詞1格のes(虚辞)と相関させると、これもまた1格の位置に来る名詞節と見做すことができる。

War es ein Traum, was sie erlebten?(彼らが経験したものは、夢であったろうか。)

実は不定関係代名詞ではない通常の関係代名詞──指示代名詞から転化した関係代名詞──においても、相関詞(≒先行詞)が省略されることによって、関係代名詞の作る関係節=形容詞節がそのまま相関詞の占めていた名詞の位置を占める名詞節として機能する、ということが起こる。これはほぼ相関詞が指示代名詞のときにしか起こらない。転化元が指示代名詞なので、相関詞にまで指示代名詞を取ると指示代名詞の重複のような感じになるので省略ができるということなのだろう。そして、相関詞に主節中の指示代名詞を取る関係節は、主節に先行することもできることを銘記しよう。先行しているか後続しているかは、述語動詞の位置でたやすく見分けられる。

Der uns befreien wird, [der] naht mit raschen Schritten.(我々を解放する者が、急ぎ足で近づいてくる。)
Die mit Tränen säen, [die] werden mit Freuden ernten.(涙とともに種を蒔く人たちこそ、喜びとともに収穫することになるのだ。)

ところで、不定関係代名詞wasに関連して言うと、wasはさらに直前の節或いは直後の節の内容を単体で受けることができる(いわゆる「先行文の内容などを先行詞とする関係代名詞was」)。そうなると、wasによって受けられた節があたかも名詞節のようなものになってしまい、1格のwasの作る関係節の方が、直前/直後の節の内容を主語=名詞節とした主節のようになってしまう。wasが出てきたときには要注意だ。ちなみにこのwasは直前/直後の節の内容を目的語=名詞節に変えてしまうこともできる。後述する。

Neben Einlandungen zum Tee oder zum Abendessen gibt es in Deutschland auch Einladungen zu Spaziergängen, was für mich etwas ganz Neues war.(お茶や夕食への招待のみならずドイツには散歩への招待というものがあるが、それは私にとっては何かしら完全に未知のものだった。)
Donald ruderte auf Backbord, was ihm keine Schwierigkeiten mehr machte.(ドナルドは左舷でボートを漕いだ。そうすると彼はもはや手こずることがなくなった。)
Der Kaiser will die Stadt erobern, was ihm eine leichte Sache dünkt.(皇帝はその街を占領しようとしている。そのことは彼には容易なことと思われるのだ。)
Was das Schlimmste ist, Feinde sind die eigenen Landsleute.(これが最悪なことであるが、敵は同国人自身なのだ。)
Glück und Tugend sind nicht immer verbunden, was durch die Geschechte aller Zeiten bestätigt wird.(幸福と美徳は必ずしも結びついていないということ、それはあらゆる時代の歴史によって裏書きされる。)
Es gibt niemanden, den ihr Gesang nicht fortreißt, was umso höher zu bewerten ist, als unser Geschlecht im ganzen Musik nicht liebt.(彼女の歌に惹きつけられない者は一人もいない、という事実は、我々の一族がおよそ音楽に対する嗜好を持っていないだけに、より一層高く評価されねばならない。)

そしてさらに以下のような例外的なケースがある。

Es macht mich schon wütend, wenn ich dich nur sehe.(ただ君を見ただけで、僕は腹が立つ。)
Wenn ich dich nur sehe, macht es mich schon wütend.(ただ君を見ただけで、僕は腹が立つ。)

通常ならば疑問詞ですらなく副詞節しか作らないはずの従属接続詞wennが、主節の仮主語esと呼応することによって名詞節と化し、主節の主語の内容を占めている。この場合wenn節を前置することも可能だが、esを省略することはできない。当然ながら、仮主語esがなければwenn節が主語として機能することはないと考えなければならない。他の例文──「Es bedeutet ein Unglück, wenn die weiße Frau sich sehen läßt.(白い女を見かけると、それは不吉を意味する)」「Dann könnte es für die Wirkung sogar nützlich sein, wenn er etwas weniger tüchtig im Nüsseknacken ist als die Mehrzahl von uns.(その上、彼が私たちの大半よりもくるみ割りをいくらか苦手とするのであれば、効果の点ではその方が却って好ましいかもしれない)」等。ついでに言っておけば、このwenn節は主節の仮目的語のesと呼応して4格の名詞節となることも可能。「Ich halte es für kein Unglück, wenn ich keine Belohnung bekomme.(私は何ら報酬を得なくとも、それを不幸とは考えない)」。

さらに補足。一度言及したことがあるが、従属節でありながら述語動詞が定形2位に置かれるいわゆる「引用話法」の従属節は、名詞節と見做すことができ、言述動詞や知覚動詞やそれらと関連する形容詞を述語として持つ主節の、1格や4格として機能することができる。引用節内では動詞は主に接続法1式のかたちが用いられる。従属節であるはずなのに定形2位に述語動詞が来ているときは注意すること。

Ihr schien, das Problem sei durchaus lösbar.(彼女にはその問題が十分に解決可能であるように思えた。)
Ich bin sicher, es gibt eine Lösung.(私は一つの解決策があると確信している。)







次に、4格として用いられる名詞節について。1格のときと同様最もありふれているのがdaßやobによって導かれる従属節、疑問詞によって導かれる間接疑問文、および拡張されたzu 不定句である。すでに述べたとおり主節に仮目的のesが置かれることもあるが、大抵省略される。

Ich hoffe, daß sie kommt.(彼女が来てくれたらいいのに。)
Ich weiß nicht, wann er zurückkommt.(彼がいつ戻ってくるのか私は知らない。)
Sie erfuhr [es], daß der Zug Verspätung hatte.(彼女は列車が遅れていることを聞き知った。)
Ich verstehe [es] nicht, warum du das gemacht hast.(私は君がなぜそんなことをしたのか理解できない。)
Ich weiß [es] nicht, was er von Beruf ist.(彼の職業が何であるか、私は知りません。)
Ich verabscheue es, zu spät zu kommen.(私は遅刻することが大嫌いだ。)
Er hat in den Missionsblättern gelesen, daß es in Zentralafrika nicht genug Ärtzte gibt, und niemand da ist, der den kranken Eingeborenen hilft.(彼は教えの書かれた本のなかで、中央アフリカには十分な数の医者がおらず、健康を損ねた原住民を助ける者など誰もいない、ということを読んだ。)

厄介なのは省略されているのが前置詞格目的語と同等の相関詞の代名詞的副詞(daranやdarauf)である場合だ。例えば「Ich warte darauf, daß du endlich kommst.」と省略されていない文であればdaß節は代名詞的副詞darauf=auf denのdenを修飾する形容詞節かもしれない、或いはaufと結合している名詞節(=前置詞格目的語)であるかもしれない……と考えることができるが、この代名詞的副詞が省略されてしまうと、ほとんどこのdaß節そのものが動詞wartenの──前置詞格目的語ならぬ──4格の真目的語のように思われてくるのだ。

Er bat sie [darum], daß sie ihm helfen möge.(彼は彼女に手伝ってくれるように頼んだ。)
Ich rate dir [dazu], nicht auf ihn zu hören.(僕は君に彼の言うことを聞かないように忠告する。)
Sie sind froh [darüber], daß alles gut verlauft.(すべてが上手くいったことを彼らは喜ぶ。)
Sie erinnerte sich [daran], wie er sich benommen hatte.(彼がいかに振る舞ったのか、彼女は想い出した。)

bittenやratenといった動詞、および述語形容詞frohは本来なら前置詞格目的語を取るはずではないか、ということを除けば、これらの例文は普通の他動詞・述語形容詞がそれらが格支配している目的語のところに名詞節──daß節やzu 不定句(やob節や間接疑問文)──を置いているのとかたちの上では変わらない。とはいえ、前置詞格目的語を伴うあらゆる動詞・形容詞がこのように代名詞的副詞を省略できるわけではない。

これも1格のときと同様、疑問代名詞から転化した不定関係代名詞werとwasによって作られる従属節=関係節も、主節でそれに対応する4格の指示代名詞が省略された場合は、4格の名詞節と見做しうる。ただし、4格の指示代名詞が省略されることは稀。「Donald nannte seinen Onkel [das] wieder einmal, was er ihn schon öfer genannt hatte.(ドナルドはもう一度、昔よく呼んでいた呼び方で叔父を呼んだ)」「Was du heute tun kannst, [das] verschiebe nicht auf morgen.(君が今日やってしまえることを明日に伸ばすな)」。言うまでもなく、不定関係代名詞が相関詞(≒先行詞)として指示代名詞やallesやeinesやvielesやwenigesといった不定代名詞を取っている場合は、関係節は名詞節ではなく形容詞節と見做される。

そして、これもまた既記のことだが、不定関係代名詞wasは単体で直前/直後の節の内容を受けることができる(いわゆる「先行文の内容などを先行詞とする関係代名詞was」)ので、wasの作る関係節は、wasが4格として現われている場合、直前/直後の節の内容を目的語=名詞節として組み込んであたかも主節のような様相を呈する。例文──「Sie machte ihm viele Komplimente, was er aber nach einer Weile durchschaute.(彼女は彼にたくさんお世辞を使ったが、しばらくして彼はそのことを見抜いた)」等。この場合普通の平叙文が名詞節として構造上は機能しているわけだ。これに付随して言うと、wasと前置詞の結合形であるwo-の代名詞的副詞の作る従属節も、似たような現象を引き起こす。「Der Vater schckte nach dem Sohne, wovon dieser freilich nichts gewußt hatte.(父親は息子に使いを送ったが、そのことについて息子はもちろん何も知らないでいた)」──wovonでその内容が受けられることによって、関係節の直前の節が前置詞格目的語、すなわち名詞節のようなものになっている。

また、引用話法の従属節も4格の名詞節として扱うことができる。1格よりもこの4格の用い方の方が普通である。例文──「Sie sagte, sie müsse noch zur Bank gehen.(まだ銀行に行かなくてはならないと彼女は言った)」「Ich dachte, du kommst erst morgen.(私は君が明日にならなければ来ないと思った)」「Nehmen wir nun an, auf Grund von Zufällen setzte sich die Kertzerei druch.(種々の偶然のせいで異端思想が定着した、と仮定してみよう)」等々。また、接続法1式のdaß節も定形2位ではないが主節の目的語となりうる引用話法の従属節=名詞節と見做せるので、一種の引用話法と言えよう。「Donarld hat mir versprochen, daß er sich um Arbeit kümmern würde.(彼は私に、仕事を世話してやる、と約束した)」。

つづいて3格についてだが、実は3格──間接目的語或いは任意の3格(利害の3格/所有の3格/関心の3格)──の位置に名詞節が来ることは、先行詞を欠いた関係文というレアケースをのぞいて、ない。ついでに言うならばzu 不定句も3格の位置には来ないし、分詞も名詞化しないかぎり3格の位置には来られない。指示代名詞のdemと相関するdaß節を3格の位置に来る名詞節のように見做すことも可能かもしれないが、ここでは一貫して指示代名詞に掛かっている従属節は指示代名詞が省略されていないかぎり形容詞節と見做すことにする。「Ich kann dem nichts abgewinnen, daß wir die Abstimmung verschieben sollen.(我々が投票を延期したところで、何かが得られるとは思えない)」──このdaß節は3格として機能している名詞節ではなく、主節の指示代名詞demを修飾している形容詞節である。

最後に、英語では「先行詞の省略された関係副詞は名詞節を作る」という現象が知られている。それをドイツ語文法でも検討してみよう。関係副詞は疑問副詞のwo(どこで?)、wohin(どこへ?)、woher(どこから?)、wann(いつ?)、warum(なぜ?)、wie(どのように?)、weshalb(何のために?)、wozu(何のために?)、等々を転用したもので、関係節の先頭に置かれて、主節の場所・時・様態・方法・理由などを表わす語を相関詞として取り、それを修飾する形容詞節を作る。特に主節の場所・時を表わす語を相関詞とするwo節がよく用いられる。例文──「Die Stadt, wo(=in der) ich geboren bin, liegt an der Nordsee.(私の生まれた街は北海に面している)」等々。これらの関係副詞はおおむね「前置詞+関係代名詞」と機能の上で重なり合い、その点は英語の関係副詞と似ていると言える。では英文における「I don't know [the reason] why he cannot consent.」のように、ドイツ語の関係副詞も相関詞が省略されることによって名詞節を作るか?……ということについては、例文が見つからなかったので断言できない。おそらく作らないと考えた方が正しいだろう。関係副詞によって導かれる従属節(形容詞節)は名詞節にはならない。

以上をまとめると、

ルール7:名詞節は、(1)zu 不定句、(2)daß節・ob節、疑問詞によって導かれる間接疑問文、(3)相関詞の代名詞的副詞が省略されたdaß節・ob節・間接疑問文およびzu 不定句、(4)相関詞の指示代名詞が省略されたwer/was関係節および通常のder/die/das/die関係節、(5)仮主語/仮目的語のesと呼応するwas関係節、(6)不定関係代名詞wasによってその内容が受けられた直前/直後の節、(7)仮主語/仮目的語のesと呼応するwenn節、(8)引用話法の従属節、──のいずれかとして現われる。

ところで、名詞節に関連して言うと、ドイツ語には英語と比べてもさらに〈物事〉を主語に持ってくる動詞が多いと感じられ、それだけに名詞節も主語の位置に現われることが少なくなく、日本語の話し手としては何とも翻訳に困ることになる。単純な「Das interessiert mich nicht.」という文章でさえ逐語訳にすると奇妙な文になる。「それは私に興味を覚えさせることがなかった」???→「私はそれに興味がない」。「Daß sie zu Hause bleibt, interessiert mich nicht.」であれば「彼女が家にいるという事実は、私に興味を覚えさせることがない」→「彼女が家にいようが私にはどうでもいい」。──このようなドイツ語の構造に慣れる必要がある。とりわけ再帰代名詞とともに用いられる再帰動詞は、〈物事〉を主語にした他動詞の用法を基本にしたものがほとんどである。







つづいて形容詞節について。形容詞節とは、定義上、被修飾語の名詞をより詳しく規定するために用いられる従属節である。もっとも典型的なのは関係代名詞によって導かれる関係節だが、実はここでもzu 不定句は活躍する。形容詞節(的なもの)としてのzu 不定句はつねに後置されることに注意しよう。また、この手のzu 不定句を用いた成句にも注意。例えば「in der Lage sein, zu 不定句」で「……できる状態にある」。

Ihre Absicht, ihm bei der Prüfung zu helfen, erfüllt ihn mit großer Freude.(試験に際して彼を助けてやろうとする彼女の気持ちは、彼を大きな喜びで満たす。)
Haben Sie Lust, mit mir spazierenzugehen?(あなたは私と散歩をする気がありますか?)
Als Arzt hat er die beste Gelegenheit, die Religion der Liebe in die Tat umzusetzen.(医者として彼は、愛への信仰を実践にもたらすための最適な機会を得た。)
Ich bin leider nicht in der Lage, dir zu helfen.(残念ながら私は君を助けられるような状況にはいない。)

余談だが、zu 不定詞はetwasなどを伴い単体でも形容詞のように用いられる。「Ich habe etwas zu bieten.(私は提供できるものを持っている)」。もっと複雑な例──「Aus dieser Kehle erklingt etwas, was zu hören wir auch gar nicht die Fähigkeit haben.(その喉から、私たちにはそれを聴く能力さえ備わっていないような何かが、響いてくる)」。

zu 不定句と似た構造として、通常は形容詞と同じ格変化をして前から名詞を修飾するはずの現在分詞、過去分詞が、長い分詞句として後ろから──zu 不定句が後置されるのに似て──名詞を修飾することがある。この場合、現在分詞・過去分詞は形容詞の語尾変化をしない。これもまた形容詞節(的なもの)と見做すことができる。ちなみにsein+zu 不定詞(「……ねばならない」「……できる」)から作られる現在分詞、いわゆる受動分詞は副詞=分詞構文として用いられることはないので、基本的に名詞修飾をすると考えること。「die zu erledigende Arbeit(片付けなければならない仕事)」等。

Das Opfer, lachend and trinkend, war sich keiner Gefahr bewußt.(笑って酒を飲んでいた被害者は、危険を意識していなかったのだ。)
Das Huhn, fertig gerupft und ausgenommen, wurde in den Kochtopf gesteckt.(羽を引きむしられ内臓を抜き取られたその鶏は、鍋のなかへ入れられた。)
Hier fanden wir eine Mange Personen, Van Goghs Gemälde aufmerksam betrachtend.(ここで我々は、ゴッホの絵画を注意深く眺めている大勢の人々を見つけた。)
Die wiete Diele, mit viereckig Steinfliesen gepflastert, widerhallte von seinen Schritten.(その四角い石のタイルが敷かれた大きな広間は、彼の足音に反響した。)

ところで、形容詞的なものとしてのzu 不定句が修飾できる名詞には実は制約があり、基本的には、zu 不定句を目的語にする動詞が名詞化したものと、形容詞と綴りを共有する名詞、および、理由、原因、時間、手段、方法を表わす抽象的な名詞しか修飾することができない。そして逆に言うと、これらの名詞に対してなら、名詞節の項でzu 不定句とほぼ同等の資格で扱われていたdaß節、ob節、間接疑問文もまた形容詞節と化して名詞修飾をすることができるのである。すなわち、daß節やob節を目的語にする動詞が名詞化したものと、形容詞と綴りを共有する名詞、および、理由、原因、時間、手段、方法を表わす抽象的な名詞に対してならば。

Die Hoffnung, daß wir uns wiedersehen werden, erleichtert die Trennung.(われわれが再会できるという希望が、離別を軽くする。)
Die Ungewißheit, ob sein Sohn glücklich aus dem Krieg heimkehren werde, ließ ihm keine Ruhe.(息子が無事に戦争から帰ってくるかどうか不確実なことが、彼から安心を奪った。)
Ich hatte Angst, was da kommen möchte.(私は、どんなことが起こるだろうかという不安を抱いていた。)

ただしくり返せばdaß節が形容詞節として修飾できる名詞は限られるので、daß節が出てきてまず形容詞節ではないかと考えるのは、おかしい。優先順位は名詞節>副詞節>形容詞節、である。「Wie der DVR Report jüngst berichtete, belegt eine Studie, daß Telefonieren am Steuer eine Belastung darstellt.(DVRリポートが最近報告したように、一つの研究が、運転中に電話することはストレスになるということを証明した)」──例えばこの文では、倒置が起こっているから分かりにくいが、「eine Studie」が主語でdaß節=名詞節をbelegen(証明する)の4格目的語として扱っているのである。daß節が「eine Studie」を修飾しているのではない。

また、これに関連して言うと、かなり例外的なことなのだが、上と同じようなかたちでdaß節が形容詞・副詞を修飾しているケースがある。「Froh, daß alles so glimpflich verlaufen war, kehrten sie zurück.(すべてが無事に済んだことを喜んで、彼らは帰って来た)」──まるで名詞を修飾するようにあっさりとdaß節が形容詞に掛かっている。これを形容詞を修飾しているからといって副詞節のように考えると、実際に副詞節として用いられるdaß節(「……するように」)や多要素接続詞のso daßやals daßと紛らわしいので、この例外を形容詞節の項で例外ケースとして記しておく。

註。間接疑問文がそのまま形容詞節化したものは、かたちとしては関係副詞が作る関係節にそっくりだが、前者では基本的に節の内容が被修飾名詞から独立しているのに対し、後者では関係節内の関係副詞(ないし人称代名詞)が相関詞=先行詞の代替物でなければならないという相違がある。

さて、関係代名詞によって導かれる関係節については簡潔にのみ記す。それらは関係代名詞der、die、das、或いはwelcher、welche、welches(derと意味上の区別はないが口語では用いられない)、さらにwoやwieなど疑問詞から転用された関係副詞、不定関係代名詞のwerとwas、その変形である前置詞と結合したwo-(wovon、womit等)代名詞的副詞、といった導入を示す語によって導かれる。そして形容詞節として現われているときは必ず、それが修飾する相関詞(≒先行詞)は省略されてはならない。言うまでもなく、関係代名詞の格は相関詞の格(1格、2格、3格、4格、前置詞格目的語、副詞的規定語……)と関係なく関係節内での役割に従う。関係代名詞と指示代名詞は紛らわしいが、当然指示代名詞を含む文では定形の位置が変わることはない(「Die Zeitung, die ist heute gar nicht gekommen.(新聞は、今日は全然来なかった)」)。あと、「前置詞+関係代名詞+無冠詞の主語」という並びもかなり紛らわしいので注意──この並びにおいて前置詞は無冠詞の主語には掛かってはいない。

Der Mann, dessen Bild ich Ihnen gezeigt habe, ist Herr Müller.(私があなたに見せた写真の男性はミュラー氏です。)
Suchen wir ein Restaurant, in dem keine Musik gespielt wird!(店内で音楽を流していないレストランを探そう。)
Im Gegensatz zu Hunden, die sehr sozial sind, meiden Katzen den engen Kontakt mit den Menschen.(とても人懐っこい犬たちとは反対に、猫たちは人間との密接な接触を避ける。)
Der einzige Gott, an welchen dieser Mensch glaubt, ist das Geld.(この人間が唯一信じている神は、金銭である。)
Die Art, wie sie ihn behandelte, empörte mich.(彼女が彼を扱う態度が、私を激怒させた。)
Nach der Lehre der Kirche, wie sie seit Jahrhunderten besteht, ist Gott die wirkende Kraft im Leben der Menschen.(百年来存続してきた教会の教えによれば、神とは人間の生に作用する力である。)
Ein so freches, hochmütiges Lächeln, wie sie es damals aufsetzte, habe ich noch nicht gesehen.(あのとき彼女が見せたような傲慢で自惚れた冷笑は、私はいまだかつて見たことがない。)
Der Grund, warum er vorzeitig abreisen mußte, ist mir unbekannt.(彼が予定よりも早く出発しなければならなかった理由を、私は知らない。)
Es gibt im Leben so manches, was uns rätselhaft erscheint.(人生には私たちには謎のように見える数多の物事がある。)
*Jetzt, wo der Chef fort ist, gehen wir auch alle nach Hause.(ボスが帰った今、われわれもみんな帰る。)
*Nicht überall, wo Wasser ist, findet man Frösche.(水のあるところならどこでも蛙が見つかるわけではない。)
*Wo ich mich verwundere, da spöttelst du.(僕が訝しく思うところで、君は冷やかしている。)
Der Papst wußte alles Schlimmste, wovon ich mit Ihnen gesprochen hatte.(法王は、私があなたにも伝えた最悪の噂を、すべて知っていた。)
Freiheit ist für Gesellschaft, Politik und Wirtschaft heute die Grundformel, ohne die Gleichheit und Brüderlichkeit nicht denkbar wären.(自由は、それなしでは平等も博愛も考えられないであろうほど、今日では社会・政治・経済にとって基盤となっている。)→「ohne die」で前置詞+関係代名詞、Gleichheitは無冠詞で関係節内の主語。
※ところで関係副詞がつくる形容詞節(*マーク付き)については注釈が必要かもしれない。関係副詞のつくる関係節は場所・時・様態・方法・理由などを表す語句を先行詞に取るわけだが、「Die Stadt, wo ich geboren bin, ...」のように先行詞が名詞であるならば形容詞節と単純に判断できるものの、*マーク付きの例文のように「Jetzt」「überall」「da」などの場所・時を表す副詞を先行詞としている場合は、果たして形容詞節と言えるのかどうかという問題がある。むしろ、「das Haus dort(そこの家)」というふうに副詞が名詞を修飾することもあることから、一括して関係副詞がつくる関係節をすべて副詞節と見做した方が文法学的には一貫しているのだが……ここでは関係節=形容詞節とざっくりまとめるために形容詞節として扱う。warumやwieといった関係副詞がつくる関係節についても同様。

関係節は必ずコンマで区切られるが、従属節が入れ子構造になって入り組んでいるときはとくにそうだが、相関詞が関係節の直前に位置するとは限らない。また、指示代名詞を相関詞と取る不定関係代名詞の場合、関係節の方が先行することがよくある。ついでに言うと、少し昔のドイツ語文では関係節がコンマで区切られないケースもあり、とくに前置詞が関係代名詞の前に置かれるとレアな語順になるので要注意。

Der ist glücklich, dem sogleich die erste Geleibte die Hand reicht.(初恋の人がすぐさま結婚してくれる人は、幸せである。)
Er brachte diese Nachricht dem Kaiser zurück, der alsdann sich aufmachten.(彼がこの報告を皇帝に持ち帰ると、それから皇帝は出発した。)
Es ist eine Reihe von Jahren her, als zu dem Artillerieregiment ein Hauptmann versetzt wurde, der aus dem Westen Deutschlands kam.(この砲兵連隊にドイツ西部出身の大尉が転任してきてから、数年になる。)
Wen das Schicksal drückt, den leibt es.(運命は己が苦しめる者を、愛する。)
Was er auch immer gesagt hat, das glaube ich nicht.(彼が何を言ったところで、私はそれを信じない。)
Wonach man eifrigst strebt, das bleibt oft unerreicht.(人が熱心に得ようとするものほど、しばしば獲得されずに終わる。)
Wie ein Jagdspiel bei dem der einzige Ruheplatz ein Baum jenseits des Weltmeeres ist.(まるで海の彼方の一本の樹のそばにしか休憩場所のない狩猟ごっこのように。)→「bei dem ...」以下がJagdspielにかかる関係節となっている。istは関係節内の述語。

くり返すが、指示代名詞der(の名詞的用法)と関係代名詞derは格変化がまったく同じで、それぞれ節の冒頭に来ることができたりするので、とりわけ関係代名詞の相関詞が指示代名詞であるときなどはめちゃくちゃ紛らわしい。注意せよ。また、周知のようにこのかたちでのみ用いられる複数2格の指示代名詞dererというものがある。

Ich traue dem, der mir traut.(私は、私を信用してくれる人を、信用する。)
Der ist in der Welt verwaist, dessen Vater und Mutter gestorben sind.(父親と母親を失った者は、天涯の孤児である。)
Das sind die Sachen derer, die gestern hier waren.(これは昨日ここにいた人たちのものです。)

また、関係副詞によって導かれる関係節=形容詞節──例文は「Mit der Dämmerung kam ein Augenblick, wo jede Stimme verstummte.(声という声が沈黙する瞬間が、黄昏とともにやってきた)」等──と似たようなものとして、時間や様態を表わす相関詞を先行させつつ従属接続詞alsやwennを関係副詞のように用いて、関係節=形容詞節を導くことができる。関係副詞と一部の従属接続詞が重なり合うことは、例えばwieが疑問詞から転用された関係副詞なのか様態を表わす従属接続詞なのか、あいまいな点からも分かるだろう。ちなみにこの場合の相関詞は様態を表わす前置詞格目的語代わりの代名詞的副詞でもよい。

Im Sommer des Jahres 1938, als ich in Berlin studierte, war es da sehr heiß.(私がベルリンで勉強していた1938年の夏には、そこはとても暑かった。)
In dem Stil, wie er jetzt angewandt wird, kann es nicht weitergehen.(今現在用いられているような方法では、どんな進展も望めない。)
Nur kommen wir dadurch, solange die vielen Teufel in uns sind, noch immer zu keinem Wohlbefinden.(ただしかし、私たちの内に大勢の悪魔がいるかぎり、そのせいで私たちだけが相変わらず調子が狂うことになるのだ。)

相関詞に掛かる形容詞節=関係節ということで言うと、実はdaß節も相関詞に掛かる関係節のように機能することがある。中性の指示代名詞dasはdaß節を受けることができるからだ(dasは性・数関係なく用いられ、様々の用法がある)。仮目的語・仮主語であるesという虚辞は形容詞節を負わないが、指示代名詞は形容詞節を負っていると考える。

Daß du zu spät kommst, das ärgert mich.(君が遅刻してきたこと、そのことに僕は腹を立てている。)

ところで仮主語のesについて補足すると、場合によっては一見仮主語のesが形容詞節=関係節を負っているように見えることがあるが、それはesが受けている真主語に掛かっていると考えるのが妥当だろう。仮主語esが受けている真主語が複数の場合、述語動詞の活用が真主語に合わせて複数形(es sind .../es waren ...)になる上に、関係代名詞も複数のdieになるので多少ややこしい。

Oftmals sind es persönliche Schwierigkeiten, manchmal schwere Enttäuschungen, bisweilen unerfüllte Sehnsüchte, die diese und ähnliche Fragen auslösen.(しばしば個人的な苦境が、ときには大きな失望が、或いは満たされない願望が、これと似たような問いを引き起こすのである。)

また、4格の名詞節を扱ったときに論じたが、主節の前置詞格目的語がdarüberやdaranといった代名詞的副詞という相関詞に置き換わっていて、後続するdaß節やob節や間接疑問文やzu 不定句がそのdarüberやdaranと呼応するケースは、それらの従属節が形容詞節として相関詞に掛かっているものと見做せる。

Die Eltern erfreuen sich darüber, daß ihre Kinder Fortschritte machen.(両親は、自分の子供たちが成長するのを喜ぶ。)
Es ist daran wenig gelegen, ob du der klügste seiest.(お前が最も賢明であるかどうかは、大した問題ではない。)→「es liegt an et(3)」で「〈事(3)〉が重要である」
Homer änderte den alten Geschmack dadurch, daß er gleichsam den Himmel auf die Erde zog.(ホメロスは言わば天空を地に引き下ろしたことによって、古い趣味を変えた。)
Sie erinnerte sich daran, wie er sich benommen hatte.(彼がいかに振る舞ったのか、彼女は想い出した。)

しかしそれ以外にも、なぜかdaß節の内容が特定の名詞を説明し修飾していると見做せる場合がありそうに思える……。

Seine Behauptung, daß er von nichts gewußt habe, erwies sich als falsch.(何も知らなかった、という彼の主張は嘘であることが判明した。)

ところがちゃんと見てもらえば分かるが、このdaß節は述語動詞が接続法1式である。つまり引用話法としてのdaß節なのだ。これと似たようなかたちで、定形2位の引用話法の従属節や疑問文も、特定の名詞を説明し修飾する形容詞節として使うことができる。こういう場合に被修飾語に回る名詞は或る種の言述的なもの(「……という○○」)に限られるであろう。

Seine Behauptung, er habe von nichts gewußt, erwies sich als falsch.(何も知らなかった、という彼の主張は嘘であることが判明した。)
Wegen seiner Angst, er könne zu spät kommen, fuhr er immer schneller.(彼は、自分がひどく遅れるのではないか、という不安ゆえにさらに車のスピードを上げた。)
Die Frage, wo er verschwunden sei, bleibt offen.(彼がどこへ消えたのか、という問いはまだ論じる余地がある。)→引用文が疑問文だった場合には、間接引用文でも疑問詞が必要となり、従属節で接続法1式の動詞は定形2位ではなく文末に置かれる。元の直接話法の文はもちろん「Wo ist er verschwunden?」。疑問詞のない疑問文の場合はobを用いる。

以上をまとめると、

ルール8:形容詞節は、(1)或る種の名詞に対してのzu 不定句、(2)後ろから名詞を修飾する分詞句、(3)或る種の名詞に対してのdas節・ob節・間接疑問文(3)関係代名詞・関係副詞・不定関係代名詞によって導かれる、相関詞の省略されていない関係節、(4)関係副詞のように用いられるalsやwennによって導かれる従属節、(5)中性の指示代名詞と呼応するdaß節、(6)相関詞の代名詞的副詞が省略されていないdaß節・ob節・間接疑問文およびzu 不定句、(7)引用話法の従属節、──のいずれかとして現われる。







余談ながら。接続法については、これまで接続法2式の条件文や引用話法の文脈で少し触れたが、接続法そのものの用法はあまりにも複雑で微妙なので、Rahmen für Beziehungの枠内では深くは掘り下げないし深く掘り下げる意味もない。ここでは、接続法が用いられているときには話者がその節で述べられていることの事実性について責任を持とうとしていないのだな、それだから婉曲な願望表現や仮定法や譲歩の文や間接話法で接続法は用いられるのだな、とだけ感じていればよい。あと、ohneやanやmit(「mit keinem Menschen ...」)の前置詞句が仮定の前提を表わして仮定法の結論部だけが接続法2式で現われるかたちに注意。一般的な動詞の接続法2式はもはやあまり使われず、sein、haben以外の動詞は大抵未来・推量の助動詞werdenの接続法2式würdeと共に用いられることにも、注意。(余談だが、間接話法において本来なら接続法1式が用いられるところで、現在人称変化と何も変わらない三人称複数の場合、間接話法であることを明示するために接続法2式を用いることがあることを銘記せよ。)

さて、副詞節のカテゴリーには、これまで触れてこなかった従属接続詞によって導かれる従属節のほとんどが含まれる。通常「従属節」という場合にはこれが最も主要なカテゴリーであろう。主節で表現されている出来事が起こった状況を表わす従属節である。

とはいえ、ここでも毎度お馴染、zu 不定句を副詞節(的なもの)として用いる実例がある。ただし随意に用いることはできず、大抵運動や存在を表わす動詞と連動して、その目的もしくは結果を限定する意味で用いられる。

Sie werden kommen, unsere Schafe und Rinder zu zählen.(彼らは私たちの羊や牛の数を数えにやって来るだろう。)
Die Gesetze sind da, befolgt, nicht beurteilt zu werden.(法律は、守られるためにあるのであって、批判されるためにあるのではない。)

ここから派生したもので「不定詞接続詞」と呼ばれるものがある。「um ... zu 不定句(……するために/結果……する)」、「(an)statt ... zu 不定句(……するのに代わって)」、「ohne ... zu 不定句(……することなく)」というかたちで現われる従属節であり、副詞節的なものとしては最もよく用いられる。これらは主節より先行することも可能である。ちなみに「um ... zu 不定句」は結果挙示の「結果……する」という意味にもなる。

Die Kunstwerke sind gemacht, um betrachtet zu werden.(芸術品は眺められるために作られている。)
Er rannte davon, ohne ein einziges Wort zu sagen.(彼は一言も言わずに走り去った。)
Statt dies mit Worten zu schildern, zeige ich dir Bilder.(これを言葉を描写する代わりに、君に絵をお見せする。)
Eines Tages ging er ins Museum, um zu entdecken, daß es geschlossen ist.(過日彼は美術館へ行ったが、美術館が閉まっているのを発見しただけだった。)
Sie war zu müde, um sich noch richtig konzentrieren zu können.(彼女はとても疲れていたので、まともに意識を集中することがもうできなかった。)→主節に強意のzuが先行するこの用い方だと否定的な結果の意味になる。

「um ... zu 不定句」には結構色んな用法があって、とりわけ、後続する文に影響を与えない断り書きの挿入句としての用法が特殊。「Um die Wahrheit zu sagen, ich mag ihn nicht.(本当のことを言うと、私は彼が好きではない)」「So sprechen wir, um ein beliebiges Beispiel zu nennen, etwa auf einem Ausflug von einem See.(それで私たちは、一つ任意の例を挙げるとすれば、例えば遠足においてあれは海だと言う)」等々。

「um ... zu 不定句」等と並んでポピュラーな副詞節的なものとして、分詞構文を挙げられる。現在分詞・過去分詞とそれに付随する語句が主節の述語動詞に対して副詞の働きをする句である。現在の句読法では、分詞以外のほかに二つ以上の語からなる分詞構文は必ずコンマで区切られる。これらは適当な接続詞と主語を補ってやれば通常の副詞節に書き換えられるものでもある(例えば下の一番最初の例文であれば「Als sie dies hörte, brach sie in Tränen aus.」)。また、英語の分詞構文と同様、分詞に伴う語句が分詞の後ろに続くことが可能である。そしてまた、この手の分詞構文を利用した成句にも注意。

Dies hörend, brach meine Schwester in Tränen aus.(これを聞いて、妹はわっと泣き出した。)
Sie stand ungeduldig da, kaum mehr sich beherrschhen könnend.(彼女はほとんど自制できず、いらいらしながら立っていた。)
Eis essend und Cola trinked, verbrachte sie ihren Urlaub.(アイスと食べたりコーラを飲んだりして、彼女は休暇を過ごした。)
Ich schwieg auf, erschrocken und gerührt.(私も驚き感動して沈黙していた。)
In diesem Heim verkehrte er nun, festgehalten von seinem Interesse für die beiden Damen.(彼は今や、二人の婦人への興味に捕らえられて、この家庭に出入りした。)
Wie vom Blitz getroffen, sank er zu Boden.(雷にうたれたように、彼は大地に倒れた。)
Unermüdlich radeln wir bis in die späte Nacht hinein, nur erfüllt von dem Wunsch, möglichst bald ans heißersehnte Ziel zu kommen.(私たちは疲れを知らずに、ただできるだけ早く憧れの目的地へ着きたいという願望だけに取り憑かれて、夜遅くまで自転車を漕いだ。)
Der Fürst hat die Elite um sich versammelt, das Volk zählte nicht.(侯爵は、庶民には目もくれず、エリートを自分のまわりにはべらした。)
Sie, die äußerlich eigentlich vollendete Zartheit ist, auffallend zart selbst in unserem an solchen Frauengestalten reichen Volk, erschien damals geradezu gemein.(本来なら、心根の優しい女性像について多くを知っている私たち一族のなかでも、うわべはとびきり完璧な優しさを保っていた彼女が、あのときは俄然下品な女に見えたものだ。)

従属接続詞の作る副詞節については、文法事項としては基本中の基本なので詳述はしない。基本的に、従属接続詞の作る副詞節は主節に先行することもできるし、主節の後ろに来ることもできるし、主節の途中に割り込むこともできる──しかもこの割り込みは主節と従属節のあいだでもできる! この点が例えば主節に後続することしかできないdenn(「というのも……だから」)が作る並列節と、weil(「……なので」)が作る副詞節との違いである。なお、wenn節では主節よりも副詞節が先に来ている場合、主節の冒頭にsoやdann(副詞的接続詞「そのときに……」「その場合には……」)を入れることがある。

Der Frosch, als er die Zusage erhalten hatte, tauchte seinen Kopf unter.(蛙は、承諾を得たとき、頭を沈めた。)
Als er während einer Geselligkeit wieder einmal fortgesetzt über alles und jeden schimpfte, so daß es schon peinlich wurde, stand plötzlich der Redakteur auf.(かつて彼が或るパーティーでまたしても誰彼かまわず怒鳴り散らしつづけて、そのせいでみな気まずい雰囲気になっていたとき、突然主催者が立ち上がった。)
Wenn sich der Winter nähert, so verlassen uns die Zugvögel.(冬が近づくと、渡り鳥は去って行く。)
Wenn es kracht, dann kracht es.(壊れるときは壊れるものだ。)

従属接続詞をおおまかに意味的に分類するならば、以下のようになるだろう。言うまでもなく従属接続詞によって導かれる従属節では述語動詞が必ず節の最後を占める。
▼時の副詞節:nachdem「……したあとで」、seit(dem)「……して以来」、als「……したとき」、wenn「……するとき」、während「……している間」、sooft「……するたびに」、bevor「……する前に」、ehe「……する前に」、kaum「……するやいなや」、sobald「……するやいなや」、bis「……しているうちに到頭」
▼手段の副詞節:indem「……することによって」
▼様態の副詞節:indem「……しながら」、wie「……するとおりに」、ohne daß「……することなく」、anstatt daß「……することなく」
▼比較の副詞節:wie「……であるのと同様」、als「……よりも」(「Sie tut mehr, als man von ihr verlangt.(彼女は要求された以上のことをする)」「So müssen sie oft mehr nach Hause schleppen, als sie brauchen können.(それで彼女はしばしば自分が必要とする以上を家まで苦労して運ばなければならない)」)、während「……である一方で」「……であるのに引き替え」、so wie「ちょうど……するのと同じように」
▼非現実の副詞節:als ob「あたかも……するかのように(接続法)」、als wenn「あたかも……するかのように(接続法)」
▼制限の副詞節:solange「……するかぎりは」、sofern「……するかぎりにおいて」、soviel「……しうるかぎりに」
▼結果の副詞節:so daß「あまりに……なのでその結果……する」、daß「結果……する」
▼原因の副詞節:weil「……なので」、da「(知ってのとおり現に)……なので」、zumal「……なのでなおさら」
▼目的の副詞節:damit「……するように」、daß「……するように」(「Sei vrsichtig, daß du nicht überfahren wirst.(車に轢かれないように気を付けなさい)」)
▼条件の副詞節:wenn「もし……ならば」、wenn anders「もし……ならば」、falls「万が一……である場合は」、sobald「……すればただちに」
▼譲歩の副詞節:obwohl「……ではあるが」、obgleich「……であるとはいえ」、wenngleich「……ではあるけれども」、obschon「……ではあるが」、obzwar「たしかに……ではあるが」、wiewohl「……ではあるが」、wenn auch「……ではあるが」、so ... auch「……であるにもかかかわらず」、da doch「……しているのに」、so+形容詞「いかに……とはいえ」、wie+形容詞「どれほど……であろうと」
※「so」は副詞的接続詞として「それだから(そうであるならば)」という意味でも使われ、譲歩の従属接続詞として「いかに……とはいえ」の意味でも使われる。
※「damit」はmit+人称代名詞の融合形として「それでもって」という意味に思えるが、従属接続詞としては「……することができるために」という目的を表す。
※「kaum」はまず副詞として「ほとんど……ない」或いは「……するやいなや」を意味し、さらに従属接続詞としても「……するやいなや」の意味になる。

これらの中には副詞節を作らずに、名詞、形容詞、分詞句などと結びついて主節のなかの一つの副詞的規定語句として働くことのできる接続詞もある。例えば「als ob ich von Furien gejagt wäre(まるで復讐の女神に追われるかのように)」という副詞節は「als ob von Furien gejagt」と書き換えられる。

付け加えておけば、非現実の前提を述べる条件の副詞節の従属接続詞wennは、しばしば省略される。「[Wenn] Wäre die Stiuation nicht so verfahren gewesen, hätte man vielleicht überlebt.(もし状況がこれほど混乱していなかったら、生き延びられたかもしれないのに)」。しかも、wenn節は従属節なので、wennを省略した上で主節に後続することもある。接続法2式に着目しつつ語順に惑わされないこと。例文──「Mancher wäre kein Bösewicht geworden, hätte man ihn nicht dafür gehalten.(人からそんなふうに(=悪人のように)見做されることがなければ、多くの人が悪人にならずに済むであろう)」「Unser Leben ist sehr unruhig, jeder Tag bringt Beängstigungen, daß der Einzelne unmöglich dies alles ertragen könnte, hätte er nicht jederzeit bei Tag und Nacht den Rückhalt der Genossen.(私たちの生活はとても危機的で、昼夜問わず仲間たちの救助がなければ各々とても生き延びられないような数多の脅威が毎日毎日襲いかかってくる)」等々。

多少厄介なのは複数の語によって構成されている多要素従属接続詞である。als wennのように分離しないで用いられる接続詞ならよいが、要素が主節と従属節に別れて現われるタイプの多要素従属詞は成句のようにそのかたちを覚えておくほかはない。代表的なものは以下。

so ..., daß ...「あまりに……なので結果……する」
derartig ..., daß ...「あまりに……なので結果……する」
auch wenn ..., so doch ...「……だとしても、しかし……である」
je+比較級, desto+比較級「……すればするほど……になる」→desto節の方が主節。
je+比較級, um so+比較級「……すればするほど……になる」
insofern ..., als ...「……であるという点では……である」→insofernの方が主節。
zu ..., als daß ...「あまりに……なので……しない」
um so +比較級, als ...「……なのでより一層……である」→um soの方が主節。
Sie war so müde, daß sie sich nicht mehr richtig konzentrieren konnte.(彼女はあまりに疲れていて、もうまともに意識を集中することができなかった。)
Ich bin derartig verirrt im Kopf, daß ich keine vernünftige Antwort geben kann.(私はあまりに頭が混乱していて、まともに答えることができない。)
Auch wenn es nur zum kleinsten Teil das Mobiliar ist, so ist es doch typisch für diese Epoche.(家具はそのわずかな部分しか残っていないが、しかしそれはこの時代の特徴をよく示している。)→前の節は1格+1格のパターンでesは仮主語。
Je länger sie sich kannten, desto weiniger hatten sie sich zu sagen.(彼らは長くお互いを知れば知るほど、互いに交わす言葉が少なくなった。)
Je geschwinder der Dichter seinen Zuhörern verständlich wird, um so geschwinder kann er sie interessieren.(詩人は、聞き手に理解されるのが早ければ早いほど、彼らに早く興味を引き起こすことができる。)
Er hatte insofern Glück, als er bei dem Unfall nicht verletzt wurde.(その事故で怪我をしなかったという点では、彼は幸運だった。)
Er denkt zu edel, als daß er nicht die Wahrheit sagte.(彼はあまりに高尚な考え方をするので、真理を言わないわけがない。)
Die Gefahr war für ihn um so größer, als niemand zu seiner Unterstützung in der Nähe war.(誰も彼を助けられるような近距離にいなかったので、危険は彼にとって一層大きかった。)

ところで、名詞節の項で取り上げた、普通の平叙文である主節の内容を一語で受けて名詞節に変えてしまう不定関係代名詞wasと同等のものとして、主節の内容を一語で受けて副詞節に変えてしまう関係副詞、weshalb、weswegen、warumがある。これらは疑問詞から転用されたもので「……という理由で」という意味を担うが、以下の例文のように直前/直後の文章の内容を受けて、受けられた方の節を副詞節のようにしてしまう。これもまた例外的に副詞節と見做しうる。

Er rührte keinen Finger im Haushalt, weshalb sie ihn schließlich verließ.(彼はまったく家事をしなかった、それゆえに彼女は最終的に彼を見捨てた。)

最後に、イディオムとして一つのまとまりをなす文修飾副詞相当句がある。例えば不定関係代名詞wasを使った「was j(4)/et(4) anbetrifft」という成句は「〈人(4)〉/〈事(4)〉に関しては」という文全体を修飾する意味内容になる。例文──「Das Gestirn, auf dem er lebt, nennt er die 'Erde', obwohl es bekanntlich, was den Umfang seiner Oberfläsche anbetrifft, fast drei Viertel Wasser und nur ein Viertel Erde ist.(人は、その地表の部分に関してはほぼ四分の三が水でたった四分の一が大地だということをよく知っていながら、自分たちが住む星を“地球”と名付けた)」。obwohlの作る譲歩の従属節に成句=文修飾副詞相当句が割り込んでいる。こういうのは文法的に首尾一貫していないので、逐一暗記するほかはない。

後述するが、Rahmen für Beziehungにおいては、いわゆる副詞的接続詞が作る節は、並列節と見做す。

以上をまとめると、

ルール9:副詞節は、(1)或る種の動詞と連動しているzu 不定句、(2)不定詞接続詞「um ... zu 不定句」「ohne ... zu 不定句」「statt ... zu 不定句」、(3)分詞構文、(4)従属接続詞の作る従属節、(5)多要素従属接続詞の作る従属節、(6)関係副詞weshalb・weswegen・warumによってその内容が受けられた直前/直後の節、(7)文修飾副詞相当句、──のいずれかとして現われる。







最後に、並列節について。並列節は主節と構造上の扱いは等価であり(意味上は等価でないこともある)、述語動詞が定形2位の位置に来る節で、主に従属接続詞ならぬundやaber等の並列接続詞によって導入される──というふうにおおよそ考えていいのだが、一点、「副詞的接続詞」について言及しなければならない。

副詞的接続詞とは、節と節を意味的に繋ぐように働く副詞のことである。これが単なる接続詞と異なるのは語順の点から明らかだ。すなわち、副詞的接続詞が導く節は従属接続詞が導く従属節と違って動詞が節の末尾に来ることがない。副詞的接続詞を含む節は、副詞を冒頭に倒置で出している節と類比的に主語等と語順が入れ替わるだけで、定形2位を維持している。さらに、従属接続詞と違って、副詞的接続詞は接続された二つの節のうち前節の方に現われることができない。以下、意味的には似ているように思える従属接続詞weilと副詞的接続詞deshelbを比較してみよう。

Weil er schrecht geschlafen hatte, war er den ganzen Tag müde.(彼はよく眠れなかったので、一日中疲れていた。)
Er hatte schlecht geschlafen, deshalb war er den ganzen Tag müde.(彼はよく眠れなかった、それゆえ彼は一日中疲れていた。)

例えばこの例では「Er war den ganzen Tag müde, weil er schlecht geschlafen hatte.」という節の順番にできるのはweilの方だけである。deshalbは「それゆえに」という意味だが、それが受ける内容は直前の節の内容であって「理由」の意味を自分に後続する節に付与するわけではない。これが副詞的接続詞が並列節を導入していると見做せる根拠である。辞書においては副詞としてしか扱われていないが、ほとんどの文法書が副詞的接続詞を並列接続詞として扱っている。

Er ist aufrichtig, jedoch sine Anstrengungen führten zu keinem Ergebnis.(彼は誠実だ、しかしながら彼の努力は何ら実を結ばなかった。)
Sie sparten eifrig, doch machte die Inflation alle Bemühungen zunichte.(彼らは一生懸命貯金をした、しかしインフレのためすべての努力が無に帰した。)
Es regnete oft, trotzdem war der Urlaub schön.(雨はよく降った、にもかかわらず休暇は素晴らしいものだった。)
Es knallte ein Schuß, dann war alles still.(銃声が一発鳴り、それから完全に静まり返った。)
Ich denke, also bin ich.(我思う、ゆえに我あり。)
Das Licht bewegt sich schneller als der Schall, daher nehmen wir den Blitz vor dem Donner wahr.(光は音よりも速く動く、それだから我々は雷鳴より先に雷光を認めるのだ。)
Sie ist besser als ihre Kollegen, nur hat sie sämtliche Vorurteile gegen sich.(彼女は同僚たちよりも優れている、ただし、彼女は自分自身を評価しすぎている。)
Das Leben ist kurz, um so(desto) sorgfältiger muß man es benutzen.(人生は短い、それだけに一層細心にそれを利用しなければならない。)

付け加えておけば、副詞的接続詞は「副詞」でもあるので、後置された節の冒頭だけでなく節の中域にも現われることができる。この配語の仕方ができるのは純粋な並列接続詞のなかではaberのみである。

Ich habe den Film nicht gesehen, ich kann deshalb nichts Genaueres darüber sagen.(私はその映画を観なかった、それだから私はそれについて正確なことは何も言えない。)
Ich fahre morgen nach München, ich habe dort nämlich eine neue Arbeit gefunden.(僕は明日ミュンヘンへ行く、というのもそこで新しい仕事を見つけたのだ。)
Er bemühte sich um eine Lösung, seine Anstrengungen führten aber zu keinem Ergebnis.(彼は解決しようと努力した、しかし努力は何ら実を結ばなかった。)

副詞的接続詞の特殊例として、従属接続詞のals ob(als wenn)からob(wenn)を取り除いたalsの用法がある。als ob(als wenn)は「あたかも……であるかのように」を意味する非現実の従属接続詞だが、非現実を意味する節はalsだけでも導入することができ、しかもその節はalsが副詞であるかのような語順になる。これはもちろん時の従属接続詞alsや比較の従属接続詞alsとも異なる、副詞的接続詞のalsである。

Sie tat, als hätte sie nichts gemerkt.(彼女は何にも気づかなかったかのような振りをした。)
Es schien, als habe er die Orientierung verloren.(彼は方向が分からなくなったかのようだった。)
Sie blickt die ganze Zeit nach rechts, als [ob] könnte sie sonst ihre Neugierde nicht zügeln.(彼女は、そうしないと彼女の好奇心を押さえつけられないとでもいうかのように、最初から最後まで右へ目を逸らしていた。)

副詞的接続詞ではない純粋な並列接続詞は、und、aber、allein、denn、oder、sondern等である。sowie(「ならびに」)は従属接続詞と純粋な並列接続詞の二通りの用法がある。dochは副詞であるが「それにもかかわらず」という意味の並列接続詞の用法もある。これらは倒置など起こさずに純粋に二つの節を繋ぐ媒介としてのみ機能する。aberだけは他の純粋な並列接続詞たちと異なり語順上節の頭のみならず節のあちこちに現われることができ、しかも、例えばaber auchのようなかたちで反対対比の意味が薄まって、先行する内容をただ強調するために用いられたりもするので注意。

以下、さきほど副詞的接続詞deshalbと従属接続詞weilを比較したのと同様、理由を表わす並列接続詞のdennとも比較してみよう。見てのとおり、deshalbの例文とは節の順番が逆になっている(この点はdenn節の方が並列節として特殊なのだと言えるが)。また、weil節は前置されることも後置されることも可能だが、denn節は後置のみが可能である。

Er war den ganzen Tage müde, denn er hatte schlecht gesclafen.(彼は一日中疲れていた、というのもよく眠れなかったからだ。)
Er war den ganzen Tage müde, weil er schlecht gesclafen hatte.(彼はよく眠れなかったので、一日中疲れていた。)
Weil er schrecht geschlafen hatte, war er den ganzen Tag müde.(彼はよく眠れなかったので、一日中疲れていた。)
Er hatte schlecht geschlafen, deshalb war er den ganzen Tag müde.(彼はよく眠れなかった、それゆえ彼は一日中疲れていた。)

ところで上の四つの例文を見てもらうと分かるが、従属節と主節の結びつきに比べると、主節と並列節の結びつきは相対的に弱く、並列節が省略されても文章の意味は通る場合が多い。従属節と並列節がいくつも複合して訳しにくい複文に出会ったら、このことを想い出すとよい(まずは従属節から訳してみる)。

さて、従属接続詞のときと同様、やはり厄介なのは複数の語によって構成される多要素並列接続詞であろう。大抵のものは第1要素と第2要素に別れ、第1要素は前節に、第2要素は後続する節に現われて二つの節が意味的に照応しているという構図になる。とはいえ、おおむね純粋な並列接続詞のヴァリエーションとして捉えればそれほど迷うことはない。当然ながらこれらによっては節と節同士の並列だけでなく等価な語句レベルの並列も行われる。

entweder ..., oder ...「……であるか、でなければ……である」
weder ..., noch ...「……でないのはもちろん、また……でない」
sowohl ..., als auch ...「……であるし、また……である」
zwar ..., aber(doch) ...「たしかに……であるが、しかし……でもある」
nicht nur ..., sondern auch ...「……であるだけでなく、……でもある」
Entweder du rufst jetzt sofort ein Taxi, oder wir verpassen das Flugzeug.(君がただちにタクシーを呼ぶか、でなければ我々が飛行機に乗り遅れるか、どちらかだ。)
Weder brauchte sie Hilfe, noch bat sie um Rat.(彼女は援助を必要としなかったし、また助言を求めもしなかった。)
Sie hatte sowohl Hunger als auch Durst.(彼女はお腹が空いていたし、また喉も渇いていた。)
Unser Unternehmen ist zwar nicht riesig, aber im stark wachsenden Kurs.(たしかに我々の会社は大きくないが、しかし勢いよく成長途上にある。)
Zwar weiß ich viel, doch möchte ich alles wissen.(私は多くのことを知っているが、しかし、すべてのことを知りたいのだ。)
Sie war nicht nur klug, sondern auch außergewöhnlich attraktiv.(彼女は聡明であるだけでなく、飛び抜けて魅力的でもあった。)

以上、並列節を導入する接続詞について述べて来たが、実はこのような接続詞なしでも、コンマだけで並列節は導入することができる。

Oma Duck arbeitet den ganzen Tag, Franz Gans faulenzt nur.(ダックおばあちゃんは一日中働いているが、鵞鳥のフランツはただぶらぶらとしているだけである。)

これは二つの節のあいだで並列接続詞のundが省略されているとも見做せるが、単純に、構造上等価な二つの主節はコンマで繋ぐことができるということを覚えておこう。

さらに付け加えると、近接指示の指示代名詞が使われている場合も、接続詞なしで主節と等価の定形2位の節を導入できているように見える。

Da kam eine Frau, die hatte eine Blume in der Hand.(一人の婦人がやってきた。彼女は手に花を持っていた。)
Natürlich ist es nicht das Original, das fiel dem Zweiten Weltkrieg zum Opfer.(もちろんこれは当初のままのものではない。当初のそれは第二次世界大戦の犠牲になった。)

しかしこれはコンマが本来ピリオドであるべき文章であるし、二つの節のあいだでundが省略されているとも考えられるし、とくに例外的なことが起こっているわけではない。指示代名詞を関係代名詞などと勘違いしなければそれでよい。むしろ、並列節を導くコンマでもっと注意すべきは、例えば並列接続詞が節と節だけでなく文法的に等価な節の部分と部分を並列できるのと同じに、このコンマが主語を共有する節の部分を並列的に導入できる点にある。とりわけ三つ以上の節が複合した文でこれは問題となる。以下の例文は、「hatte」の位置がおかしいように見えるが、別にこれは倒置が起こっているのではなく、主語「das tägliche, tätige, frische Leben」の主語だけを共有して、述語動詞以下の語句を並列節的に導入しているだけなのだが、途中で関係節が入りしかも主節で倒置が起こっているので、その構造を把握しにくくなっている。これもまた、主語が省略されただけのコンマによって接続詞なしで導入された並列節、と見做していいだろう。

Unerwartet stellte sich das tägliche, tätige, frische Leben vor ihn hin, dem er seit Monaten fremd geworden war, hatte ein lokendes Gesicht und ein drohenes Gesicht.(思いがけず、活動的で清新な日常生活が彼の前に立ち現われた。それはここ数ヶ月のあいだ彼にとってずっと未知のものであったが、今やそれは誘惑するような、同時に畏怖させるような顔を持っているのだった。)

以上をまとめると、

ルール10:並列節は、(1)純粋な並列接続詞によって導かれる並列節、(2)副詞的接続詞によって導かれる並列節、(3)多要素並列接続詞の作る並列節、(4)コンマによって繋がれる主節と等価の並列節、(5)コンマによって繋がれた近接指示の指示代名詞のある節、(6)コンマによって繋がれる、主節と主語を共有して主語が省かれた並列節、──のいずれかとして現われる。







補足として。ドイツ語には、品詞としては副詞にすぎないのだが、短い一語で文に複雑な意味合いを添える「不変化詞」がたくさんある。しかもそれらには「doch」や「denn」のように接続詞から転用されたものもあり、多義的で、なかなか訳しにくい。その一つひとつについて詳細な解説はしないが、以下に注意すべき不変化詞を便覧化しておく。これらにつまずいたときは辞書でその意味をよく調べてみるとよい。

・aber
・auch
・bloß
・denn
・doch
・eben
・eigentlich
・einfach
・etwa
・erst
・halt
・ja
・mal
・nur
・ruhig
・schon
・vielleicht
・wohl
・sehr
・ziemlich
・ganz
・recht
・überaus
・zutiefst
・höchst
・etwas
・einigermaßen
・besonders
・weit
・völlig
・zu
・allein
・ausgerechnet
・bereits
・einzig
・genau
・gerade
・insbesondere
・lediglich
・nur
・selbst
・sogar
・wenigstens
・gleichfalls
・jawohl
・klar
・sicher
・logisch
・allerdings







形容詞を作り出す語尾。

・-ig
・-lich
・-haft
・-sam
・-isch
・-bar
・-mäßig
・-gemäß
・-voll
・-los

男性名詞を作る語尾。

・-isums
・-ling

中性名詞を作る語尾。

・-tum

女性名詞を作る語尾。

・-heit
・-keit
・-schaft
・-rei
・-lei

動詞を作る語尾。

・-en
・-ern
・-eln
・-ieren

動詞を名詞化する語尾。

・-ung







ルール1:現在形と過去形の動詞(助動詞)は必ず述語動詞である。

ルール2:一つの文の中核の述語動詞は、ほぼ例外なく定形2位の位置に現われる。

ルール3:一つの節のなかに、独立した名詞(代名詞)は三つ以下しか現われない。

ルール4:一つの節のなかに現われる独立した名詞(代名詞)の組み合わせは、「1格のみ」「1格+1格」「1格+3格」「1格+4格」「1格+3格+4格」の五通りでほぼ尽くされる。(※ただし述語に使役動詞・知覚動詞が使われた場合は4格の名詞が一つ増える)

ルール5:前置詞句の働きは、前置詞格目的語、副詞(状況語)、副詞的付加語(名詞修飾)に大別される。

ルール6:複文の種類は、主節+並列節/+名詞節/+形容詞節/+副詞節の組み合わせで尽くされる。

ルール7:名詞節は、(1)zu 不定句、(2)daß節・ob節、疑問詞によって導かれる間接疑問文、(3)相関詞の代名詞的副詞が省略されたdaß節・ob節・間接疑問文およびzu 不定句、(4)相関詞の指示代名詞が省略されたwer/was関係節および通常のder/die/das/die関係節、(5)仮主語/仮目的語のesと呼応するwas関係節、(6)不定関係代名詞wasによってその内容が受けられた直前/直後の節、(7)仮主語/仮目的語のesと呼応するwenn節、(8)引用話法の従属節、──のいずれかとして現われる。

ルール8:形容詞節は、(1)或る種の名詞に対してのzu 不定句、(2)後ろから名詞を修飾する分詞句、(3)或る種の名詞に対してのdas節・ob節・間接疑問文(3)関係代名詞・関係副詞・不定関係代名詞によって導かれる、相関詞の省略されていない関係節、(4)関係副詞のように用いられるalsやwennによって導かれる従属節、(5)中性の指示代名詞と呼応するdaß節、(6)相関詞の代名詞的副詞が省略されていないdaß節・ob節・間接疑問文およびzu 不定句、(7)引用話法の従属節、──のいずれかとして現われる。

ルール9:副詞節は、(1)或る種の動詞と連動しているzu 不定句、(2)不定詞接続詞「um ... zu 不定句」「ohne ... zu 不定句」「statt ... zu 不定句」、(3)分詞構文、(4)従属接続詞の作る従属節、(5)多要素従属接続詞の作る従属節、(6)関係副詞weshalb・weswegen・warumによってその内容が受けられた直前/直後の節、(7)文修飾副詞相当句、──のいずれかとして現われる。

ルール10:並列節は、(1)純粋な並列接続詞によって導かれる並列節、(2)副詞的接続詞によって導かれる並列節、(3)多要素並列接続詞の作る並列節、(4)コンマによって繋がれる主節と等価の並列節、(5)コンマによって繋がれた近接指示の指示代名詞のある節、(6)コンマによって繋がれる、主節と主語を共有して主語が省かれた並列節、──のいずれかとして現われる。







助動詞活用表。












形容詞の名詞化の語尾変化。








(以下、随時更新)










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